<本稿は、日経BP 朝イチメール(2月16日配信)に掲載されたコラムです> アマゾンのキンドルに対して、アップルがタブレット型のデバイスiPadを3月に発売することを発表して、電子出版に俄然注目が集まってきました。iPodが音楽のiTuneに対応したように、iPadは本のダウンロード販売のプラットフォームとなるとアナウンスされています。スティーブ・ジョブズは、iPodで音楽配信の世界に革命を起こしたように本のコンテンツ流通にも革命を巻き起こすのでしょうか。不況で喘ぐ日本の出版界からは、期待と不安が入り交じった声が聞こえてきます。 電子出版という「黒船」 結論からいえば、不況に呻吟する日本の出版業にとって電子出版は、救世主になるどころか、逆に「黒船」になると考えています。電子出版の時代が到来しても広義のPublishingは形を変えて生き残っていくと思いますが、産業としての出版業の崩壊が加速
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