ウォール街はここ数カ月、トランプ大統領の貿易戦争や米連邦準備制度理事会(FRB)の金利維持姿勢をさほど意に介さずにいた。その背景にあったのは、堅調な経済が市場を支え続けるとの自信だ。 今週、その自信が崩れ始めた。雇用の伸び鈍化とトランプ氏による新たな関税措置を受け、投資家心理は動揺。パウエルFRB議長に対する利下げ圧力は強まり、ホワイトハウスの保護主義的な通商姿勢に対する警戒感も再び浮上している。 関連記事:米国の関税、平均15%以上に-企業と家計に迫るコスト増 1日発表された7月雇用統計で労働市場の急減速が示されたことで、約3カ月にわたって続いてきた市場の平静は失われた格好だ。投資家は安全資産である米国債に逃避し、2年債利回りは急低下して3.7%を一時割り込んだ。 関連記事:【米雇用統計】FOMCは政策転換余儀なくされる-市場関係者の見方 来月にも米利下げが実施されるとの観測が一段と強ま
