【ワシントン=坂口幸裕】トランプ前米大統領は2024年11月の大統領選で再選すれば、バイデン政権の政策を相次ぎ転換する方針だ。移民対策の強化で入国を厳格化するほか、米国への輸入製品に原則10%の関税をかける構えを示す。「米国第一」の政策実現へ2期目は一段と「内向き」志向を強めるおそれがある。「連邦司法当局の大部分を移民取り締まりにシフトする」「海外駐留する数千人の軍隊を米南部国境に移す」――。
アメリカのトランプ大統領は、中国側が段階的に関税を引き下げることでアメリカ側と同意したと発言したことに対して、「まだ何も同意していない」と述べて否定しました。首脳会談での貿易協定の署名に向けて認識のずれが表面化した形で、交渉の行方は予断を許さない状況です。 これに対してトランプ大統領は8日、記者団に「中国は関税の撤回を望んでいるが、私たちはまだ何も同意していない」と述べ、中国側の見解を否定しました。 米中両政府はトランプ大統領と習近平国家主席が首脳会談を開いて、第1段階の貿易協定に署名する方向で調整が続いています。 しかし、中国が署名の条件として関税の引き下げを求めているのに対して、アメリカとしては中国が知的財産権の侵害の見直しなど改革にどれだけ取り組むか協議の中で見極めていく考えです。 今回、両者の認識のずれが表面化した形で、交渉の行方は予断を許さない状況です。
アメリカの大手自動車メーカー、GM=ゼネラル・モーターズが北米にある工場のうち5つを閉鎖することをめぐり、トランプ大統領は、輸入車に対して高い関税を上乗せすればGMの工場閉鎖はないだろうと主張し、現在検討を進めている自動車の輸入制限措置の発動を正当化しました。 これについてトランプ大統領は28日ツイッターに、輸入車に高い関税を上乗せすれば「もっと多くの自動車がアメリカで生産され、GMも工場を閉鎖することはないだろう」と書き込みました。 トランプ大統領としてはGMによるリストラの発表を理由に、現在検討を進めている自動車の輸入制限措置を発動することを正当化した形です。 日本やEU=ヨーロッパ連合は、貿易の交渉を行っている間、アメリカ側が輸入車に対する関税の上乗せはしないことを確認していますが、トランプ大統領は交渉で譲歩を引き出すため、圧力をかける姿勢を示しています。
大手生活用品メーカーの「アイリスオーヤマ」は、生産に欠かせない「金型」のアメリカ工場向けの調達先を、中国から東南アジアに移すことになりました。アメリカと中国の貿易摩擦で、トランプ政権が中国産の金型への関税を引き上げたためです。 アメリカ工場で使う金型は1つ数百万円するということですが、トランプ政権が中国産の金型にかける関税を25%上乗せし調達コストが大幅に上昇したため、金型の調達先を中国から、関税が低い東南アジアに移すことにしました。 このため東南アジアでの調達の拠点となる現地法人をベトナム南部のホーチミンに設けることにしています。 さらにこの会社では中国で生産していた家電製品を来年1月に完成予定の韓国の工場に移すなど、調達や生産の拠点を中国以外に移す動きを強めています。 アイリスオーヤマの大山晃弘社長は「米中の貿易摩擦で金型がいちばん大きな影響がある。将来的にはベトナムやタイなどASEA
アメリカのオートバイといえば「ハーレー・ダビッドソン」。ふだんから斜に構え、政治とは無縁を装うハーレーのライダーたちですが、最近、トランプ大統領は、こうしたライダーたちの感情を揺さぶる大きな波紋を投げかけました。(ワシントン支局記者 栗原岳史) 「ハーレー・ダビッドソンは、アメリカを真に象徴するすばらしいメーカーだ!」 トランプ大統領がこう話したのは、去年2月のこと。 ハーレー・ダビッドソンは1903年創業の老舗企業。その会社をトランプ大統領は「メイド・イン・アメリカ」のお手本として持ち上げていました。 しかし、それからおよそ1年半後のトランプ大統領のツイッターでのつぶやきは…。 「まさか、ハーレーが最初に白旗を揚げるとは思ってもいなかった」 「もし本当に海外に移転を始めたら、終わりの始まりだ。負け犬め!」 トランプ大統領が発言を転換させた背景には、他ならぬトランプ大統領の政策があります。
アメリカのトランプ政権が、中国からの2000億ドルの輸入品に関税を上乗せする、これまでで最大の制裁措置を今月24日から発動すると発表したのに対して、中国政府は、制裁の発動と同じ日にアメリカからの600億ドルの輸入品に関税を課す報復措置を実施すると発表しました。 これに対して中国政府は、アメリカからの600億ドルの輸入品に最大で10%の関税を課す報復措置を、同じ24日から実施すると発表しました。 今回の報復措置が実施されると、アメリカから中国への輸入品の70%以上が関税上乗せの対象となります。 一方、トランプ大統領もさきほどツイッターに「アメリカの農家や労働者を標的にするなら、中国に対してすみやかに大規模な報復措置をとる」と書き込みました。 トランプ大統領は、次は中国のほぼすべての輸入品を制裁の対象にする方針を示しており、米中の貿易をめぐる制裁の応酬は一段とエスカレートし、全面的な対立に発展
カナダの首都オタワで、酒店の商品棚に並べられた同国のクラフトビール(2018年8月4日撮影、資料写真)。(c)AFP PHOTO / Eric THOMAS 【8月5日 AFP】貿易問題をめぐって米国とカナダが小競り合いを繰り広げる最中、カナダのクラフトビール醸造業者は、アルミ缶が不足する事態に直面している。貿易摩擦によって最初に被害を受けるのはこうした小規模事業者であり、缶の供給が途絶えたのは米国産アルミニウムに関税を課したからだと、醸造業者は非難を展開している。 カナダのビール業界団体「ビアカナダ(Beer Canada)」のルーク・ハーフォード(Luke Harford)会長は、ビールに対する増税の他、今年10月に合法的に使用できるようになる嗜好(しこう)用大麻と競合することで、関税をめぐる醸造業者の苦悩がさらに増すことになると指摘。「醸造業者には非常につらい時期だ」と述べた。 カナ
アメリカの二輪車メーカー、ハーレーダビッドソンは、EU=ヨーロッパ連合がアメリカに対する報復措置として課した高い関税を避けるため、ヨーロッパ向けのバイクの生産を国外に移すことを明らかにし、強気の通商交渉を仕掛けて製造業のアメリカ回帰を訴えるトランプ大統領にとっては皮肉な結果となっています。 アメリカが、鉄鋼製品に25%の関税を課したのに対し、EUは先週から報復措置をとりアメリカ製のバイクへの関税を6%から31%に引き上げました。 会社によりますと、この措置でバイク1台当たりおよそ2200ドル、24万円の関税が上乗せされ、年間ではおよそ110億円にのぼるということです。ヨーロッパでの売り上げはアメリカに次ぐ規模だということで、会社は値上げせずに事業を継続するためには、やむを得ない選択だとしています。 製造業の国内回帰を訴えるトランプ大統領は、たびたびハーレーダビッドソンをメイドインアメリカの
1.関税とは 関税は、歴史的には古代都市国家における手数料に始まり、内国関税、国境関税というような変遷を経てきましたが、今日では一般に「輸入品に課される税」として定義されています。 2.関税率の種類 日本国憲法第84条は租税法律主義を定めています。これは、租税の種類、納税者、税率など租税に関する重要事項は法律又は法律の条件で定めなければならないということです。従って、関税率は国会の議決を経た法律に基づいて設定されますが、国会の承認を受けて成立した条約に基づいて設定される場合もあります。 また、関税については、海外及び国内の事情の変化に応じて迅速に対応する必要があることなどの理由から、法律で一定の条件を定め、その範囲内で政令により関税率の変更を行う制度があります。この例として緊急関税制度があげられます。 わが国の関税率を大別すれば、法律に基づいて定められている税率と条約に基づいて定められてい
アメリカのトランプ大統領は、メキシコとの首脳会談が中止になったことについて、「メキシコがわれわれに敬意を持って接しないかぎり、実りがない」と述べたうえで、国境沿いに築く壁の建設費用に充てるため、メキシコからの輸入品に課税する考えを示しました。 この中でトランプ大統領は、メキシコのペニャニエト大統領が中止すると発表した首脳会談について、「取りやめることで合意した」と述べ、双方合意のうえで中止の結論に至ったという認識を示しました。 そして、アメリカはメキシコとの不公平な取り引きで多額の貿易赤字を抱えていると主張し、「メキシコがわれわれに対し公平かつ敬意を持って接しないかぎり、会談をしても実りがない」と述べて、NAFTA=北米自由貿易協定の見直しを迫る考えを改めて示しました。 さらにトランプ大統領は、メキシコとの国境沿いに壁を築くよう命じる大統領令に署名したことを受け、壁の建設費用に充てるため、
【ワシントン=黒見周平】トランプ米大統領は23日にも、環太平洋経済連携協定(TPP)からの離脱や北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉、移民政策の強化などを巡り、大統領令に署名し、新政権の基本方針として実現を目指す方針だ。 ただ、関係国の反発は必至で、協議は難航が予想される。 プリーバス米大統領首席補佐官は22日、米FOXニュースでトランプ氏が週内に大統領令の発令を検討している項目として、「貿易、安全保障、移民政策」を挙げた。 トランプ氏は同日のホワイトハウスの会合で、「NAFTAの再交渉を開始する」と宣言。近くメキシコのペニャニエト大統領、カナダのトルドー首相と首脳会談を行う意向を示した。トランプ氏はNAFTAからの離脱も辞さない構えだ。
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