→紀伊國屋書店で購入 結局「内」なんて「外」の外なんだなあ、ということ ジャンルも定まり評価さえ決まった作品を「確認」に行くタイプの展覧会にも良いものはあるが、「こりゃ何だ」と認識や常識の転覆を迫ってくるような企画展は貴重で、「GOTH-ゴス-」展などもそういうものとして記憶に残った。しかし何といっても、世田谷美術館の名を一躍有名にした「パラレル・ヴィジョン」展だ。図録『パラレル・ヴィジョン-20世紀美術とアウトサイダー・アート』は、同展覧会開催の1993年頃から少しずつ人々の口の端にのぼり始めていた「アウトサイダー・アート」を知ろうとする者にとってのバイブルであり続けている。 この展覧会のハイライトのひとつが、「戦闘美少女」(斎藤環)の典型ヴィヴィアン・ガールズが子どもの奴隷たちを解放しようとする凄惨な戦争絵巻『非現実の王国で』のヘンリー・ダーガーだった(参考:『HENRY DARGER