春から山田孝雄「假名遣の歴史」のテキスト化を進めてゐたが、漸く年内中にPDF化まで漕ぎ着けた(出來れば製本まで進めたかつた)。爲事の遲い私にしては上出來だつた。材料自體は何年も前に揃へてゐたが、昔の舊字舊假名の本をOCRで讀みとるのは結構厳しいものがあつた。 次は誰をやつてみようかな。
この本が出たのはゴールデン・ウィークの頃ですから、もう3ヵ月を過ぎますか。本来であれば共著者の一人として、本書を紹介し、広く勧めるべきところでした。 活字印刷の文化史 作者: 張秀民,大内田貞郎,豊島正之,鈴木広光,小宮山博史,宮坂弥代生,佐賀一郎,劉賢国,孫明遠,内田明,小形克宏,府川充男出版社/メーカー: 勉誠出版発売日: 2009/05/04メディア: 大型本 クリック: 42回この商品を含むブログ (13件) を見る 本書の全般的な紹介は、先日公開された、編者の小宮山博史さんの文章があります。 漢字・仮名活字の世界史的位置づけ―『活字印刷の文化史』 こうして読むと、あらためてこの本の凄味といったものが分かり、またそのような本に場違いな原稿を書いてしまったのではという自責の念にとらわれます。 本書収録の原稿は、昨年INTERNET Watchで連載した“情報化時代”に追いつけるか?
飯倉照平 ウェブサイトでの公開に際してのお断り (2002. 8.31; 2003. 2. 7):本記事は、1998年から1999年にかけて、当研究会の将来的な目標である新しい熊楠全集(このことについては「当研究会について」のページをご参照下さい)の可能性について研究会会員間で自由に議論した際、平凡社版『南方熊楠全集』の校訂を担当した飯倉照平氏に話題提供を依頼したものです。現時点での、営利あるいは非営利の具体的な編集・出版計画を前提としたものではありません。なお、同様に話題提供をお願いした中瀬喜陽氏の「熊楠資料の表記について」も公開されています。(ウェブページ管理者) (9.11 追記) 本文章では漢字の字体(新旧漢字、及び正体略体などの異字体)の問題への言及があります。新旧字体間の違いが一点一画のみの文字の場合(「者」、「徳」など)の多くは、新字体と区別された旧字体が(普及しているコンピ
9月10日の「不思議なカクシガマエ(補足)」で通常のクニハコガマエ,カクシガマエと「ウロコ付きカクシガマエ」(これが不思議なカクシガマエなのだが)の違いを図示して説明した(右図に再掲)。しかし日本の近代漢和辞典の字形が『康煕字典』からはじまった以上,この字形に触れないわけにはいかない。それと『大字典』の両カマエについても見ておきたい。それらを並べて見ると,なぜ「不思議なカクシガマエ」なのか,という実態に迫れそうな気がする。 まず上図に『康煕字典』のクニハコガマエとカクシガマエを示す。両者ともエレメントはよく似ており,違いは左上の1画目と2画目の接し方のみである。 つぎに『大字典』のクニハコガマエとカクシガマエを下図に示す。『康煕字典』の字形とはかなりイメージが違うが,これもまた左上の1画目と2画目の接し方を除き,両者のエレメントは非常によく似ている。 つまり,『康煕字典』,『大字典』
以下は、板倉雅宣『和様ひらかな活字』(朗文堂「Vignette 03」2002)37 ページに掲げられている和様二号の 図に、千家尊福『教会撮要』(国会図書館蔵)から採集したものを併せて掲げたもの。 板倉図の①は、府川充男氏所蔵の山口聚珍堂版『培養秘録』(明治 7 年)の和様ひらがな。②は點林堂『改正小 児養育心得』(明治 9 年)、大阪活版製造所『活字各種見本』(明治 23 年 5 月)、新街活版所『新々長崎土産』広 告頁(明治 23 年 2 月)の和様ひらがな。③は大阪活版製造所『活字各種見本』(明治 23 年 5 月)、『印刷雑誌』 大阪活版製造所広告頁(明治 24 年 3 月)の一般ひらがな。④は平野活版製造所『BOOK OF SPECIMENS』(明 治 12 年 6 月)の一般ひらがな。――とのこと。 板倉図で欠けていた和様二号のうち「ろ」「に」「ち」「ぬ」「わ」「ゐ」「ま」
前回,クニガマエとカクシガマエの中間のようなカマエについて述べた。その形状は一般的な明朝体様式からは外れており,これを「ウロコ付きカクシガマエ」と呼んで,ややもすれば字形解釈上の混乱を招く虞があることを指摘した。 しかし,この独特ともいえるカマエの実際の形状が,説明用の図の表現力の問題でよくわからないものとなっていたようであった。そこで,この字形について補足することにした。 上図を見ていていただければ一目瞭然であろう。左は通常の「クニガマエ」,つぎは,これも通常の「カクシガマエ」だが,問題は右のカマエだ。この形のカマエは他の辞典には現れないものである(現存するすべての漢和辞典に当ったわけではないが)。辞典による解釈の差はあるものの,クニガマエとカクシガマエの位置付けは部首としてもはっきりしている。しかし右のカマエは様式から逸脱しているだけに困るのである。 前回は検字番号4355の文字
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