English 日本語 5日に死去した米アップルのスティーブ・ジョブズ前最高経営責任者(CEO)は、歴史に残る偉才だったと世界のリーダーから賞賛された。 だが、そのジョブズ氏、何度もどん底時代を経験している。1985年にアップルを辞任し、1997年に復帰したものの、そのときアップルのブランドは往時の華やかさを失い、パソコンの世界シェアも5%以下に縮小していた。 当時、わたしはウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)のニューヨーク本社で広告業界担当の記者をしていたが、ジョブズ氏がアップルのブランドイメージの回復を狙って、大規模なテレビCMを企画していると聞き、インタビューを申し込んだ。 話を聞くと、それはもう大変な凝りようだった。このCMでは、アインシュタイン、ジョン・レノン、ピカソなど、豊かな創造力を持つことで知られた偉人のモノクロ写真を次々に見せ、「自分が世界を変えられると本気で信じ