全国の救命救急センターの多くで、医師が労働基準法からかけ離れた過酷な泊まり勤務を強いられている。「宿直」扱いで泊まり勤務を行う地方と都市部の病院で、厳しい実態を目の当たりにした。 「人手がない中、なんとかやってきたが、心が折れそうだ」と、東日本の地方病院の救命救急センター長はつぶやいた。 病院には常勤の救急医がいない。約90人の医師全員が交代で1晩3人程度、泊まり勤務に入る。この病院の泊まり勤務は、手術などの労働がほぼないことが前提の「宿直扱い」。だが、患者の搬送受け入れは年5000件以上で、受け入れ率は97%に上る。泊まりの医師の手におえなくなると、各科の医師が呼び出されるのが日常だ。 4月下旬の夜。「じんましんが出た」「血圧が高い」--。一般市民からの相談電話が鳴った。低血糖で意識障害を起こした糖尿病患者が救急車で運ばれてくると、糖尿病専門医を呼び出した。この夜、救急搬送だけで10回を
医学生が医療問題をテーマにしたオリジナル演劇を披露する「医療問題ロールプレイ」が、和歌山市紀三井寺の県立医大であり、患者や学生ら約300人が観劇した。医療の問題を自らのこととしてとらえ考えるのが狙い。 「麻酔科・緩和ケア」の授業の一環で、今年10回目。臨床実習前の同大医学部5回生が、脚本から監督、俳優、照明・音響などすべてを取り仕切る。61人が4班に分かれ、約30分ずつ上演した。同大付属病院で入院中の磯部咲里ちゃん(10)は「すごく患者の気持ちを考えてくれてるとうれしかった」と笑顔を見せ、七宝静子さん(80)は涙を流し「良かった」。1班の小川敦裕さん(23)は「正解は一つじゃない。考え続けることが唯一の答えだ」と話した。 病院長の畑埜義雄教授(麻酔科)は「医師になって劇と同じ状況に立ったとき、想像と違うことも起きるだろうが、患者の視点で考える遺伝子を学生は身に着けた」と満足そうだった。【加
新型インフルエンザへの警戒が強まる中、東京都内の病院で、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次いでいることが分かった。都によると、2日朝〜4日朝だけで計63件に上る。新型への感染を恐れたためとみられるが、感染者が出た国への渡航歴などがない患者ばかりで、診察拒否は医師法違反の可能性がある。大学病院が拒否したケースもあり、過剰反応する医療機関の姿勢が問われそうだ。 患者から都に寄せられた相談・苦情によると、診察拒否のパターンは(1)患者が発熱しているというだけで診察しない(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しない(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しない−−の三つという。 拒否の理由について都は「万一、新型インフルエンザだった場合を恐れているのでは」と推測する。拒否されたため、都が区などと調整して診療で
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