高階秀爾『日本人にとって美しさとは何か』(筑摩書房)を読む。高階は現存の美術評論家として第一人者の大御所だ。新しい日本の作家たちを紹介した3部作『日本の現代アートをみる』『ニッポン現代アート』『ニッポン・アートの躍動』(いずれも講談社)はとても良かった。紹介された100人近い作家の選定も高階の確かな眼を感じさせたし、個々の作品を解説する文章が見事だった。さすが大御所と感じ入った。だから本書も期待して読んだ。 最初に「言葉とイメージ 日本人の美意識」という講演録が収録されている。一昨年の静岡県での講演とあるが、どんな聴衆相手なのか分からない。あまりレベルが高くないのは一般の人を前に話したものだろうか。第2部では日本の絵画と西洋の絵画を比較している。日本の伝統絵画や、江戸末期から始まった日本の洋画について意外に高く評価していて勉強になりおもしろかった。 第3部は「日本人の美意識はどこから来るか
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