10年前に、電機業界の役員向けに、「製造業よ、サービス業になれ!」と題した講演をしたことがある。講演では、当時のGEやトヨタが、本業で売上を伸ばしながらも利益が伸びず、収益の源泉を、金融やサービスにシフトしていることを、過去10年間の利益率の変遷データで説明し、サービス化への副産物として、顧客価値の源泉が見え、次なる開発のポイントも浮かび上がる、という話をした。しかし、講演後のアンケートでは「日本は技術立国だからサービス業など手を染めるべきではない」という反論が大勢を占め、聴衆から理解を得られなかった。 日本の製造業は、「モノ信仰」が強い、と言われる。正確には、モノが売れて利益が残る、という「ビジネスモデル信仰」が強い。サービス業は、モノに付随して発生するもので、製造業は、高品質なモノを供給することに専念すべき、との認識らしい。そういう言葉を技術者から聞くたびに、日本の製造業からは、アップ