日本の電子書籍の問題を考える上で、「青空文庫」の存在と、彼らが培ってきた過去の経験ほど大きな示唆を与えてくれるものはありません。日本でも昨年から、商業的な電子書籍のプラットフォームがいくつも登場していますが、ご存知の方も多いように、青空文庫はこれらとはまったく異なる発想で生まれたものです。 青空文庫は、著作権保護期間がすぎた日本語のテキストを、インターネット上に保存・整理・公開している無償のテキスト・アーカイブです。著作権切れのテキストだけでなく、著者自身がネットでの無償公開を認めたテキストもふくめ、2011年の現時点で9989点の作品が収録されています。1万点の大台まで、あとわずかというところです。[追記:2011年3月15日に1万タイトルを突破しました。] 直接にこのサイトにアクセスしたことがない人でも、iPhone/iPadアプリのさまざまなブックリーダーや、ソニーが発売したRead
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