3月17日に記者団に公開されたミューザ川崎シンフォニーホール。天井仕上げ材などが客席に崩落した=川端智子撮影 国内外で評価が高い東京交響楽団(東響)が、東日本大震災でその本拠地・ミューザ川崎シンフォニーホール(川崎市幸区)に大きな被害を受け、苦境に立たされている。震災後の自粛ムードで他ホールも含め13公演が中止され、ミューザ復旧のめども立たない。「音楽のまち」を掲げて東響とフランチャイズ契約を結ぶ川崎市も代替ホールの確保など支援に乗り出した。【井上卓弥】 先月11日の震度5強の揺れで、JR川崎駅西口にあるミューザはホール天井の仕上材や軽量鉄骨が客席に崩落した。04年オープンの耐震設計ホールだけに想定外の被害だった。大野順二楽団長(50)は「声が出ませんでした。ホールは音楽家の家であり楽器。その空間を失った我々も一種の被災者かもしれません」と話す。ホールはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団芸