一応、「ポンジ・スキーム」という言葉はある。 数ある投資詐欺のうち、一番シンプルなのが、このポンジ・スキームだ。どういうものか。詐欺師は高利回りを約束して金を集める。詐欺師は最初のうちは、分配金や払戻金を約束どおりに払うが、それは集めた金の一部を当てているだけで、金儲けのたぐいは一切しない。金が約束どおりに支払われるというので、詐欺師の信用と知名度は高まり、高利回りに引き寄せられて、どんどん金が集まる。金の集まるスピードが、約束した利率よりも高いうちは、分配金や払戻金を払うことで、詐欺師の儲けは増えていく。 つまり、安愚楽牧場やMRIインターナショナルだ。 安愚楽牧場事件やMRIインターナショナル事件の報道の際に、ポンジ・スキームという言葉を使えれば、どんなに話が簡単になったことか。欧米ではポンジ・スキームという言葉は、日本での「ネズミ講」という言葉なみに通じる言葉らしいが、日本では