『狐の足跡』は歴史書として依拠できるものではない 実のところ、拙著でも検討した通り、今日では『狐の足跡』には、恣意的引用や歪曲があり、とうてい歴史書として依拠できるものではないということがあきらかになっている。ところが、日本のロンメルに関するミリタリー雑誌の記事や通俗的な読み物では、なお『狐の足跡』に依拠した記述が少なくない。 たとえば、ある日本のライターの著作では、ロンメルの未亡人ルチー=マリアと息子のマンフレートが『狐の足跡』に異論を唱えたり、抗議していない以上、資料として信頼できるとされている。強弁であり、事実の歪曲でもある。 まず、ルチー=マリアは1971年に死去しているのだから、1977年に出版された『狐の足跡』をチェックすることは不可能だったのである。そもそも、アーヴィング自身、同書のなかで「ロンメル夫人とは生前、二回会って話をしたことがある」と記し、『狐の足跡』刊行以前に彼女
あなたは事実を歪曲した「トンデモ歴史本」に騙されてはいないか。現代史家の大木毅氏は「日本では、“狭義の軍事史”は研究者が手を出さず、サブカルチャーでのみ扱われているため誤りが放置されている。今回、ドイツでもっとも有名な将軍であるロンメルの伝記を書くにあたり、いわゆるミリタリー本での扱いもチェックしたが、事実を歪曲したものが少なくない」と指摘する――。 日本史なら訂正されるが、軍事史は歪曲が放置される 近年、ためにする「歴史書」が氾濫(はんらん)している。 「コミンテルンの陰謀」といったたぐい、あるいは『日本国紀』など、それらはあらかじめ決まった結論、それも、ほとんどは政治的な党派性に沿った結論に向けて、恣意的に史実を抜き出して立論するものだ。当然のことながら、歴史学の論証手順を無視したもので、いわゆる「トンデモ本」のたぐいである。 もっとも、さすがに自国史である日本史の分野では、かかる流れ
電気グルーヴの石野卓球(51)が、ライブストリーミングサイト「DOMMUNE(ドミューン)」で同ユニットの楽曲のみを5時間にわたって配信する特別企画が実施されたことを受け、感謝の言葉をつづった。 同サイトは、ピエール瀧容疑者逮捕で同ユニットの作品が出荷停止、回収されるなどの現状を「至極ナンセンス」とした上で、「音楽は我々皆のものであるはずです」と主張し、26日午後7時から5時間におよぶ「DJPlays”電気グルーヴ”ONLY!!」企画を実施した。 この放送は大きな反響を呼び、約40万人が視聴した。石野は同日ツイッターを更新し、関係者やファンに向け「本当にありがとう!心から感謝」とツイートした。
町山智浩さんがTBSラジオ『たまむすび』の中で亡くなったスタン・リーさんを追悼。マーベルコミックスの多くの作品を手がけたスタン・リーさんの偉大さについて話していました。 (町山智浩)今日は急遽、スタン・リーという方がお亡くなりになりまして。ちょっとまあ、日本であまり詳しくは知られて……いるのかな? オタクの人しか知らないんで、ちょっと説明したいんですけれども。この人、95歳でした。すごい長生きで。この人はいわゆるアメコミ、アメリカンコミックの編集者で原作者なんですね。この人、どういった作品を作ってきたかと言いますと、『ファンタスティック・フォー』『ハルク(超人ハルク)』『スパイダーマン』『アイアンマン』。あとは『アベンジャーズ』に出てくるものみんな……『キャプテン・アメリカ』とか『マイティ・ソー』とか。あと『アントマン』とかね。それで『X-MEN』ですね。だから、もうほとんどマーベルコミッ
参院予算委員会の締めくくり質疑で答弁する安倍晋三首相=国会内で2019年3月27日午前9時16分、川田雅浩撮影 安倍晋三首相は27日の参院予算委員会で、旧民主党政権(2009~12年)が導入した子ども手当について「あの頃、愚か者と考えていた人は多いのではないか。率直に言って私もその一人だ」と述べた。首相は2月の自民党大会で「あの悪夢のような民主党政権」と述べて物議を醸したばかり。再び旧民主党批判をヒートアップさせた形で、野党の旧民主党出身者は反発している。 予算委では、自由党の森裕子氏が「子ども手当をつぶした自民党を許すことはできない。丸川珠代さん(元五輪担当相)は採決時に『愚か者』と言った」などと批判。首相は、これに反論し「ファミリーバリュー(家族観)を否定してすべて社会化していく政策だった。財政破綻を招くだけでなく、子育てに対する考え方が基本的に違う」とも述べた。森氏は「今の答弁態度は
ドローンが戦争を変えつつある。その本質は、ドローンの登場によって、サイバー空間や宇宙空間と同様に、これまで使用されてこなかった空間が「戦闘空間」に変貌を遂げていることにある。大国の正規軍からテロリストなどの武装勢力に至るまで、生物種が爆発的に増えたカンブリア紀のように、多種多様のドローンを活用している実態とは――。 24時間以内に3Dプリンタで製造→前線投入 中国軍のドローン技術はいま米国に追いつき、追い越さんとしている。スウォーム(群)制御技術のギネス記録で米国と抜きつ抜かれつを繰り返すなど、その技術は高みにあり、中東・アフリカ諸国への軍用ドローン販売も順調である。 しかも、中国軍はドローンを完全に軍事戦略の一部として溶け込ませている。人民解放軍自身が公式SNSを通じて、技術を軍事転用する必要性を強調し、その代表例としてドローンを紹介している。例えば、中国陸軍は、装甲車両に自爆及び偵察ド
わたしたちの足元、地面の下にはあちこちに歴史の名残が埋まっている。大昔ここに住んでいた人々は誰なのか、なにを大切にしていたのか、住んでいた家はどんなだったのかなど、その生活の断片を垣間見ることができる。それは朽ちた遺体の骨も同様だ。 しかし、数千年前の生活は、必ずしも平穏なものではなかった。ときに発見された遺体から、その死が残酷で暴力的だったことがわかることもある。それはまさにホラー話さながらであることを示しているのだ。
八幡 和郎(やわた かずお、1951年9月 - )は、日本の通産官僚、文筆家、歴史作家[1][2]。徳島文理大学教授[1][3]。 経歴[編集] 滋賀県大津市出身[3]。1975年、通商産業省入省[3]。 入省同期に太田房江、石田徹、三本松進、藤田昌央など[4]。 入省後官費留学生としてフランス国立行政学院へ1980年から2年間留学する[1][5]。 国土庁長官官房参事官[1]、通産省大臣官房情報管理課長[1]を最後に1997年に退官[3]。 松下政経塾特別研究員を経て、2004年、徳島文理大学教授に就任[2]。 2000年、2004年の2度に渡って大津市長選挙に出馬するが落選。 2016年の民進党代表選挙に立候補した蓮舫参議院議員の二重国籍疑惑をアゴラ、夕刊フジで追及した[6]。 年譜[編集] 1970年(昭和45年) - 滋賀県立膳所高等学校卒業。 1975年(昭和50年) - 東京大
八幡氏は 呉座さんが分かってないと思うのは、自分が文献資料の分析だけのプロだということだ。だから、資料の発見とか整理や評価はプロのはずだが、解釈能力があるかどうかは別だ。解釈は森羅万象についての知識、推理能力、人生経験などがものをいうから、文献史家がプロとしての優位性をもっているとは言い切れない と述べる。 こういう誤解をしている歴史愛好家は非常に多い。私が大学院生の頃、定年退職して大学の聴講生として日本史学研究室に出入りしている方がいた。その人は「歴史なんてものは若い人には分からない。人生経験を積んでこそ分かるのだ」と主張されていた。だがもちろん、大学院生の方がその方より史料が読めるし知識もあるので、みんなで色々と指導するのだが、自分の息子や娘より年下の若造たちに指図されるのが癪に障ったようで、そのうち姿を見せなくなった。 当時の私は「困ったお年寄りだな」と思っていた。けれども今にして思
筆者はここ数日、日本中世史学者の呉座勇一氏と、歴史作家の八幡和郎氏の応酬に注目してきた。筆者も一応、史学科(近現代史)の学生だったので、今をときめく呉座氏と八幡氏がどのような論争を行うか、興味があったのである。しかし残念ながら、これを「論争」と呼んでいいかどうか、非常に疑問である。 というのも、呉座氏が言葉は厳しいながらも八幡氏の思い違いを逐一指摘し、歴史学の基本的な方法論を展開することでさながら簡単な「史学概論」の趣すら漂わせる論考を書くのに対し、八幡氏は最初からズレた事しか書いておらず、最終的には冷静さを失ったとしか思えない感情論をぶちまける仕儀と相成ったからである。 八幡氏は「呉座氏は百田・井沢氏より大胆な飛躍がお好き」において、次のように述べる。 もうひとつ呉座さんが分かってないと思うのは、自分が文献資料の分析だけのプロだということだ。だから、資料の発見とか整理や評価はプロのはずだ
「家康勝利の結果から逆算して原因を引き出す、一種のフェイクニュースです。家康には豊臣秀吉の死後から打ってきた政略がことごとく成功しており、慢心がありました。小規模な反乱の可能性は考慮していたかもしれません。しかし、反徳川勢力が大坂に結集しての一斉蜂起は、全く予想していませんでした」 ■徳川家康は臨機応変の天才 「関ケ原の戦いの約1カ月半前には、西軍の総大将だった毛利輝元に講和交渉の書状を送っています。自らは江戸にとどまって、豊臣系諸将を西軍勢力と接する尾張方面に先行させたのも、西軍に軍事的圧力をかけることで輝元からの譲歩を引き出す狙いだったのでしょう」 「もちろん講和が簡単に成立すると考えるほど、家康は楽天家ではありませんでした。毛利氏との交渉の傍ら、東軍の藤堂高虎や黒田長政を通じて西軍の切り崩しを図りました。家康がリスクの大きい決戦を先送りする方針を採っていたのは確実です」 「石田三成も
記事保存 日経BizGate会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。 「極秘プロジェクトの難しさは、相反しがちな機密保持と支持獲得の両立を求められる点にありますが、大変うまく運びました。難攻不落だった六波羅探題は完全に不意を突かれ、1日の戦闘で陥落しました。戦後は後醍醐天皇から大きく評価され、尊氏は北条氏に代わる武家の棟梁(とうりょう)として昇進しました」 「尊氏は北条氏から圧迫されていたわけではありません。むしろ、北条氏と強固な縁戚関係で結ばれた既得権者です。幕府に公然と反抗する人々をみて『このまま追従していたらともに滅びる』という危機感が、離反へと突き動かしたのです」 ■「応仁の乱」の原因は日野富子にあらず ――足利時代に日本史上最長の内戦である「応仁の乱」(1467~77年)が起こりました。先生の著書「応仁の乱」(中公新書)は50万部を越え
― 21 ― 明 治 大 学 大 学 院 文 学 研 究 科 史 学 専 攻 日 本 史 学 専 修 博 士 前 期 課 程 二 年 三 浦 直 人 論 文 要 旨 キ ー ワ ー ド は じ め に 一 、 幽 霊 語 と し て の 「 有 職 読 み 」 二 、 本 研 究 の 目 的 第 一 章 誤 用 拡 大 の 経 緯 一 、 「 有 職 読 み 」 の 原 義 と 角 田 文 衛 二 、 ウ ェ ブ 社 会 の 「 教 養 」 第 二 章 「 有 職 読 み 」 の 語 を 不 適 切 と す る 理 由 一 、 類 義 語 か ら 見 た 場 合 二 、 対 義 語 か ら 見 た 場 合 第 三 章 人 名 音 読 を め ぐ る 誤 解 一 、 人 名 音 読 は 「 偉 人 」 へ の 尊 敬 に 基 づ く か 二 、 人 名 音 読 は 「 知 識 人 」 の 嗜
元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏(51)からのレイプ被害を訴えているジャーナリストの伊藤詩織さん(28)が6日、国会内で開かれた国会議員の会合に出席した。 2年前に山口氏に準強姦容疑での逮捕状が発布されながらも警視庁刑事部長(当時)によって直前で待ったがかかり、不起訴となったこの事件。検察審査会でも不起訴相当の議決が出たことで終結かと思われたが、詩織さんは民事で山口氏を訴え、国会では超党派の「準強姦事件逮捕状執行停止問題を検証する会」が立ち上がった。 民進党の分裂で野党は足並みが揃わない中、この議連だけは別で立民、希望、民進、維新、自由、共産、無所属とオール野党が集結。議連や衆参の各委員会で連日、捜査の経過や検審での適正な審査がなされていたかなどを“じゅうたん爆撃”で追及している。中でも役人答弁を繰り返す警察、法務省の官僚をぶった切っているのが、議連の呼びかけ人の森裕子参院議員(6
伊藤詩織さんをカルバン・クラインがキャンペーンに起用! ネトウヨがまたぞろ攻撃もSNSでは称賛の声が圧倒 安倍首相と近い元TBS記者・山口敬之氏からの準強姦被害を訴えたジャーナリスト・伊藤詩織さんが、世界的ファッションブランドであるカルバン・クラインのキャンペーン映像に起用された。 周知の通り、詩織さんは2017年、山口氏からの性暴力を告発し、実名と顔出しで記者会見に臨んだ。山口氏の“セカンドレイプ”的な反論やネット右翼によるバッシングにあったが、それでも彼女は「真実」を伝えるため著書『Black Box』(文藝春秋)を出版。世界的な「#MeToo」運動の流れのなかで複数の海外メディアの取材にも応じ、昨年にはイギリスのBBCが詩織さんを中心に据えたドキュメンタリー「Japan's Secret Shame」を公開。国際的に大きな反響を呼んだ同ドキュメンタリーは昨日、日本でもニコニコ動画にて
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