ラジオといえば、パーソナリティの歯に衣着せぬトークが大きな魅力のひとつだが、それに負けないおもしろさを発揮しているのがコーナーである。リスナーから届く投稿によって、しゃべり手だけでは生み出せない化学反応が起こり、番組を予想もつかない方向に連れていってくれる。 常連投稿者は「ハガキ職人」(今ならメール職人)と呼ばれる。『ビートたけしのオールナイトニッポン』(ニッポン放送)から生まれた言葉だが、当時は「ハガキ作家」という言い方もされていた。「職人」や「作家」という単語からもわかるように、投稿者は番組の重要な部分を担う作り手でもあるのだ。ネタコーナー全開の芸人ラジオはもちろんのこと、一般層向けのワイド番組でも、リスナーからのツッコミや近況報告、人生相談などは大事な構成要素のひとつで、ラジオから切っても切り離せない。 番組と投稿者の不思議な共犯関係によって、ラジオ界では日々さまざまな出来事が発生し