中世の古い地図や海図には、奇妙な生き物が描かれていることが多い。その世界は、冒険映画やロールプレイングゲーム(RPG)のキャラクターにも似た珍獣たちであふれているのだ。一見、ただの挿絵のように見えるが、巨大なクジラやウミヘビが船を襲っていたり、巨大なザリガニが人間を食べようとしていたりと、恐ろしい描写も少なくない。これらの怪物は、いったい何を意味しているのだろうか。 ナショナル ジオグラフィックの書籍『世界をまどわせた地図』は、こうした怪物についても取り上げている。同書は、神話や伝承、あるいは探検家の間違いや嘘などから生まれた「幻の世界の地図」を紹介する本だ。幻といっても、当時の人々には信じられていた世界であり、それゆえに地図にも描かれていた。前述した怪物たちも同様である。かつて人々が信じ、恐れていた怪物たちの姿が、地図に描かれているのだ。 美しく奇妙な海の怪物が勢ぞろい 豊かな想像力で描
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