ロシアが北極圏広域で軍事的影響力を拡大している──そんな欧米諸国の懸念に対し、ロシアのラブロフ外相は同海域は「ロシア領」と一蹴した。 「北極圏でのロシアの軍事活動拡大に対して泣き言が聞こえるが、ここがロシア領なのは誰もが知っている」と、ラブロフは発言。「ロシアは北極圏の安全に責任を持つ。ロシアの行動は合法だ」 ロシアはまた、北極海の航行ルールを自ら制定し、外国船舶に従わせると宣言している。アメリカとNATOは、ロシアが同海域を「食い物にしている」と非難した。 温暖化に伴う北極圏の海氷縮小により、資源開発と航路の可能性が広がったことで、ロシアはアメリカやカナダ、デンマーク、ノルウェーなどと同海域の主導権争いを繰り広げている。中国も同海域の利権に関心を示しだした。 ロシアと欧米の緊張は、5月20日にアイスランドで行われた関係8カ国の「北極評議会」でも表面化。米ロ両国は非難の応酬を繰り広げている