経済評論家の池田信夫氏が「人手不足が示すアベノミクスの終わり」で、「日銀は有害無益な量的緩和をやめる出口戦略を示すべきだ」と主張している。黒田日銀を批判したいのは分かるのだが、文全体に混乱が見られる。“有害無益な”とあるののに、何に有害で、何に無益なのかが明示されていない。 「円安とエネルギー価格の上昇で輸入インフレになり、実質賃金が下がった」事が問題なのであろうか。現象としては円相場が購買力平価(PPP)為替レートの前後で推移しているのは確かだ。しかし、池田信夫氏は黒田日銀が原因とは主張できないように思える。 1. 量的緩和で円安にならないなら、有害とは言えない 以前、池田信夫氏は『「日銀の量的緩和が足りないから円高になった」という話だが、何度も書いたようにこれは明白な嘘』と主張していた。池田信夫氏の議論では円安の原因は日銀ではなく、エネルギー価格の上昇も日銀のせいでは無かったはずだ。す
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