「異常プリオンが空気感染した」という研究論文を紹介したニュースに端を発した「空気感染」とは何か? という話題。
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リポ蛋白 水に不溶性の脂質(エステル型コレステロール、中性脂肪など)は、血液中を、アポ蛋白と結合して、リポ蛋白(lipoprotein)になって、運搬される。 細胞膜成分に必須なコレステロール合成は、主に、肝臓で、HMG-CoA還元酵素により、行われる。肝臓に存在するコレステロールは、20%が食事由来(カイロミクロン由来)のコレステロールで、80%が肝臓で生成されたコレステロールと言われる。 LDLは、肝臓で合成されたコレステロールを、末梢組織に供給する。 HDLは、コレステロールを末梢組織から除去し、肝臓に転送する。 リポ蛋白の表層は、親水性のリン脂質、遊離コレステロール(遊離型コレステロール:少ない)、アポ蛋白(apolipoprotein)と呼ばれる蛋白質から構成される。疎水性のトリグリセリド(中性脂肪)とコレステロールエステル(エステル型コレステロール:多い)は、内部の核層に存在す
動物体内でグルコースはグリコーゲンとなって肝臓や筋肉中に蓄えられるため,貯 蔵量には限界がある。たとえば,ヒトでは,肝臓では蓄えられているグリコーゲンを グルコースに分解し,他の組織で消費するグルコースを供給している。ヒトが24時間 絶食すると,肝臓のグリコーゲンはなくなるといわれている。 脂肪は,からだのあちこちの組織にある脂肪細胞や脂肪組織に蓄えられており,ほ とんど無制限に蓄えられている。一般的なヒトの場合,脂肪の量はグリコーゲン約50 倍に相当する。 ◆油脂の加水分解 油脂の加水分解は,エステル結合の酸または塩基触媒,酵素による加水分解として 理解できる。塩基触媒によるケン化について化学Iの教科書では次のような反応式を 書いている。 RCOOR' + NaOH → RCOONa + R'OH この式では,OH-がR'と結合してアルコールに取り込まれているように見える。実際 にはOH
細胞は、細胞膜で覆われており、その細胞膜を構成しているのが リン脂質と言う物質です。 このリン脂質は、主に必須脂肪酸から出来ています。 リン脂質は、3つの脂肪酸が結合している トリグリセライドと違い、 1つの脂肪酸が、1つの セリンやコリンの様なリンを含む分子と 結合しています。 細胞膜の中に有るほとんどのリン脂質は、ジグリセライドに リン酸塩がくっつくことで作られています。 リン脂質は、細胞膜を正常に保ち細胞膜の透過性 (細胞膜を通って物質が出入りすること)を維持するのが主な役割です。 それでは、レシチンや ホスファチジルコリンのようなリン脂質を 食べたら、細胞膜に取り込まれるかと言うと、リン脂質だからと 言ってそれがそのまま細胞膜に取り込まれるわけではありません。食べたリン脂質は、すぐグリセロールと遊離の脂肪酸、 リン酸塩に分解されて、細胞膜に合ったリン脂質に再合成されて 利用されます
溶媒のような小さな分子は通すが、溶質は通さない性質を持つ、このような膜を半透膜 (semipermeable membrane)という。しかしながら、この性質だけでは細胞は必要な物質を取り込むことができない。 そこで膜タンパク質の登場である。膜タンパク質の中には、膜を貫通しているものがある。多くの膜貫通タンパク質は、ちょうど弁の付いた管のようになっていて、特定のイオンや物質を選択的に通すことができる。このタンパク質のおかげで、細胞膜は特定のイオンやブドウ糖などの必要な物質を通すことができるのである。 したがって細胞膜は、選択的透過性を示す半透膜ということができる。すべての細胞に同じ膜タンパク質が埋め込まれているわけではないので、どんな物質が通過できるかは細胞によって異なる。 細胞膜は物質の出入りをコントロールするばかりでなく、隣の細胞と接するためのインターフェイスとなっている。まずは、細胞
脂肪と油の違い 脂肪と油は、専門的に言えば炭素、水素、酸素原子からなる水に溶けない化合物のことを言う。通常食事で摂取する脂肪は、トリグリセライドとリン脂質、ステロール(コレステロールが代表例)の3つに分けることが出来る トリグリセライド 最も普通に摂取する脂肪は、トリグリセライドで、摂取している脂肪の95%を占めている。(図1参照) トリグリセライドは、グリセロールと3つの脂肪酸から出来ている。脂肪酸分子は、一端に酸(カルボキシ基:COOH)を持った炭素分子の長いチェーンで構成されている。(図2参照) トリグリセライドは、分子量が大きいためそのままでは体内に吸収されにくい。消化によりトリグリセライドを分解して小さな分子量のグリセロールと脂肪酸にして吸収することが出来る。消化とは、胆汁がトリグリセライドを乳化し、更に酵素(リパーゼ)が水をトリグリセライドに与え(加水分解)、グリセロールと脂肪
12月13日は「ビタミンの日」である*1。いまからちょうど100年前の今日、1910年(明治43年)12月13日。東京化学会常会において、鈴木梅太郎は、米糠中に含まれる微量の未知物質について発表した。当時、既に、エイクマンの行った実験によって、白米のみで育てた鳥が脚気様の症状を来たすこと、米糠を与えれば症状が改善することは知られていた*2。鈴木は、米糠から分離抽出した有効成分を仮にアベリ酸と命名した。アンチベリベリ(ベリベリとは脚気のこと)という意味を込めたらしい。後にこの有効成分は、酸ではないことが明らかになり、オリザニンと改められた*3。オリザニンはイネの学名「オリバ・サティバ(Oryza sativa)」に由来する。ちなみに、「もやしもん」で有名になったオリゼーも、米麹から発見されたことに由来する。 「栄光なき天才たち」 伊藤智義・作、森田信吾・画、「栄光なき天才たち」の第一巻で、東
社会PLoS ONE: Placebos without Deception: A Randomized Controlled Trial in Irritable Bowel Syndrome対象になったのは過敏性腸症候群(IBS)、ストレス性の腹痛。 プラセボ薬投与群となにも無し群。プラセボ群には「マジで何の有効成分も入っていないが、体がいい感じに反応して効果があるよ」というようなことを説明し、青と赤のゼラチンカプセルを与える。方便を使うというのもポイントかね。そんで三週間後に効果を評価する。IBSは客観的な指標が無いので質問票による評価になるということで、そういうのも気になるポイントだねえ。まあとにかくプラセボ群で効果が見られ、これは実際にIBSで使っている薬と同等だという。 そしたらIBSの本当のお薬ってなんなんじゃろ?ざっくり検索したところだとIBSの原因は、ストレスで腸粘膜から
登場人物紹介 どらねこ:南千住研究所Z研究員、日本モフモフ療法学会認定ホノメカス モニョ子:南千住研究所Zを牛耳るポニョ子の妹 ミツドン:例によって今回も登場しないが色々とキレやすい年頃らしい −南千住研究所Z地下倉庫兼メニュー開発室− どらねこ:「さて、今日もやる気が出ないからキノコでも食べて寝ようかな」 トントン・・・ガシャ モニョ子:「こんばんはー、どらねこさん。開発お疲れ様です」 ど:「あ、モニョ子さん、こんばんは。今日はどうしたの?」 モ:「お姉さんが今日具合が悪くなってしまって、代わりに会議に出席しておいてね、と頼まれたんです」 ど:「えっ、会議?たしか、明日だったと思うけど?」 モ:「えー、そんなぁー。学校終わってバタバタ駆けつけたのに、もぅ〜」 ど:「それは災難だったねぇ、決して中のヒトが年末企画の為にそんな研究所があった事*1を思い出してもらうよう、わざわざ登場してもらっ
大阪科学医療グループ京都駐在・瀬川茂子 神経、皮膚、筋肉…。なぜ、DNA配列は同じなのに、異なる細胞を作り出せるか。同じ量を食べても太りやすい人がいるのは、DNA配列の個人差だけによるものなのか。そんな問いに答えを出そうと、遺伝子の働きを制御する「エピゲノム」と呼ばれる仕組みの研究が進んでいる。複雑な生命現象が少しずつ見えてきた。 ヒトの体は約60兆個、200種以上の細胞からなる。すべての組織、臓器の細胞は同じDNA配列(ゲノム)を持つのに、役割は異なる。約2万の遺伝子のうち、どれが働くか、「ON」と「OFF」の組み合わせが違うからだ。 細胞には、不要な遺伝子にカギをかけて働かなくするなど、遺伝子を制御する仕組みが備わっている。建物の入り口、各部屋、金庫…とカギのかけ方が違うように、遺伝子のカギの仕組みも複雑だ。 1個の細胞からなる受精卵が様々な組織の細胞に分化する際には、カギをかける領域
●病気に効くと称して何かを与えられた後の「変化の構造」について。 ○概念的に分けられると思われるものを分解する。+ は特に単純加算などを意味しない。 A:自然な変化(時間経過による変化)+B:与えられた「場」などに対する心理社会的な作用(与える人に対する信頼感。ホーソン効果など。認知→生理)+C:与えられた「物」に対する「心理(社会)的な」作用(「効く」という信念形成。認知→生理)+D:与えられた「物そのもの」の作用(薬理的作用) A+B+C:”広義”の「プラセボ効果」 ←エルンストの言う「プラセボ効果の誤用」 C:”狭義”の「プラセボ効果」 ←エルンストの言う「真のプラセボ効果」 「プラセボ効果」自体に批判的な立場 →A+B+C:meaning response(意味応答) D:薬自体の効果。薬理的メカニズムの作用。 ○ある部分のみの作用を評価したい。その場合、「それ以外の条件をなるべく
盲検では、対照群と治療群のどちらの患者にも、まったく同じ対応をすることが決定的に重要になる。なぜなら、どんな小さな違いでも、患者の回復に影響を及ぼし、試験の結果が不公正になりかねないからだ。そのため、見かけ上区別できない薬を与えるのはもちろんのこと、どちらの群も、同じ場所で治療し、同じ水準の看護を受けなければならない。そうした要因のすべてが、いわゆる《非特異的効果》に関与する。非特異的効果は、治療の状況によって引き起こされる効果で、治療そのものによって直接的に引き起こされる効果ではない。非特異的効果は、プラセボ効果までも含む包括的な用語である。 『代替医療のトリック』(p91) 大変重要なことです。 まず、どちらの群にも「同じ対応をする」という所。 たとえば、治療群と対照群(たとえばプラセボを与える群)を設定し、それぞれ別の部屋で処置が行われるとします。その場合に、一方の群が割り当てられた
先月の“Discover”誌オンライン版に掲載されていた記事が妙に気になったので、抄訳(恣意訳といったほうがいいか)して紹介することに。 精神分裂病は長い間、遺伝や両親の問題だとされてきた。そうではない、という精神科医達が増えつつある。元凶は人間のDNAの中に住み着いているウイルスなのだと。 スチーブンとディビッドは一卵性双生児として生まれたが、その日々は生まれた直後からかなり異なるものになった。ディビッドはすぐに自宅に帰ったが、スティーブンはウイルス感染による発熱で新生児ICUにとどまり、一か月近くも生死の境を彷徨うことになる。命を取り留めたスチーブンだが、その発育はかなり遅れた。彼は滅多に泣かず、笑いかけてもうつろな目で見返すだけだった。歩きはじめのころも彼はよくふらついてはテーブルに顔をぶつけた。 こんな思い出もそのうち忘れられる。小学校に入るころになるとスチーブンは遅れを取り戻した
医療見かけたのがAFP、GIGAZINE、GIZMODOなので眉に唾つけてたけど、Lancet論文だし、案外アリなのかなとまたNHS様にお伺いを立ててみた*1。Aspirin and cancer risk - Health News - NHS Choices 論文Effect of daily aspirin on long-term risk of death due to cancer: analysis of individual patient data from randomised trials : The Lancet NHS記事の文末見てみると分かるけど、やはりものすごいたくさんのニュースサイトで紹介された仕事のようです。いつもここは2,3くらいしかない。 アスピリンって「ワンダードラッグ」って呼ばれてんだ。解熱鎮痛作用とは別に、低容量で抗血栓薬としての使用があるみたい
(CNN) HIV(エイズウイルス)に感染したドイツ人男性に対する幹細胞移植治療が成功し、完治したとみられるとの研究結果を、独シャリテー大学病院の医師らが発表した。ただしこの方法には大きな危険が伴うため、現実的な治療法として採用される可能性は低いとされる。 血液学専門誌の最新号に発表された研究によると、この男性はHIV感染とともに急性骨髄性白血病の診断も受けていた。放射線や化学療法で本人の免疫機能を完全に停止させうえで、2007年2月に幹細胞移植を行い、この時点で抗HIV薬の投与は中止した。 08年3月に白血病が再発したため、同様の手順で幹細胞移植が繰り返された。抗HIV薬を中止して3年半が経過した今年夏の時点で、白血病もHIV感染も再発の兆候はみられず、免疫機能も正常に働いていた。医師らは「HIV感染は完治した」と結論付けている。 このケースで治療が可能だったのは、幹細胞の提供者が、HI
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