高級感ある単色カバーやアイドル写真、漫画…。同じ太宰作品でも装いが違えば印象が変わる=東京都千代田区の三省堂書店神保町本店 名作文庫の夏商戦で、若年層をターゲットにした「ジャケ(ジャケット)買い」争奪戦が過熱している。グラビアのような女性アイドルの表紙写真でファン心理をくすぐったり、有名写真家のスナップを使って名作の新たな魅力を引き出したり。太宰治の生誕100年に当たる今年は新規参入組も増加しており、例年以上に個性的なカバーが店頭をにぎわしている。(海老沢類、写真も) ぶんか社文庫は6月、「夏の3冊」と銘打って、太宰の『人間失格』、夏目漱石『坊っちゃん』、堀辰雄『風立ちぬ』から成る名作シリーズを刊行した。表紙を飾るのは、すべて女性アイドルグループ「AKB48」のメンバー。大きめの文字と読みやすい広めの行間も奏功し、『人間失格』は発売からわずか2週間で重版がかかった。 第四編集部の小川将司さ