『OUT』『グロテスク』など社会に顧みられることのない女性たちと、その“痛み”を圧倒的な筆力で浮かび上がらせてきた作家・桐野夏生さん。最新作『燕は戻ってこない』では女性の貧困と生殖医療を題材にし、相次いで女性誌の特集が組まれています。人や物事をひとくくりにする「『安易なラベリング』に抵抗するために仕事をしている」と語る桐野さん。単独インタビューで、桐野さんが見据える現代社会と“痛み”に迫りました。
2022年8月 新潟県向けにラジオ第1で放送したラジオ特番「DJ松永のそれでいいじゃん」。長岡市出身で ヒップホップユニットCreepy NutsのDJ松永さんが、母校の中学校で後輩たちの等身大の悩みに向き合いました。放送に盛り込んだ深くうなずけることばの数々。放送だけで終わらせるのはもったいない!と この記事では中学生の質問に真摯に向き合ったDJ松永さんのことばを放送さながらにお伝えします。 母校のジャージを着て登場 質問にこたえるDJ松永さん リーダーならではの悩み 最初の質問は、3年生の女子生徒。体育祭でリーダーを務めることになり、大勢の前に立つリーダーならではの悩みを打ち明けました。 生徒:自分は大勢の前に出るとかなり緊張しちゃうタイプです。松永先生は大勢の人の前でライブとかをすると思うんですけど、どうやったら緊張しないですか? DJ松永
中国にいたら「寝そべることも出来なかった」 ラキさん(仮名)は上海から1000キロ以上離れた、中国の内陸部・西安から5年前に来日した30代女性です。中国では一度大学受験に失敗。志望ではない大学に進学し、就職先は地方の小さな旅行会社でした。 雇用契約書に、『3か月連続でノルマを達成しない場合、自主退職をする』という項目があるくらい、常に激しい競争にさらされていました。 「携帯にメッセージが入っているかどうかを常に確認しなければなりません。24時間働いているのと同じでした。お客さんを取られてしまったことがしばしばあって、業績に基づいて評価する仕事なので、非常にプレッシャーでした」 「もし今も中国国内にいたら、キャリアアップすることもできなく、寝そべることもできなく、ただ苦しいと感じるだけでしょう」 ラキさんが口にした「寝そべり」という言葉、去年から中国で流行っている言葉です。「努力しても報われ
全国で次々と明らかになる「世界平和統一家庭連合」=旧統一教会と政治家とのつながり。 関連団体のイベントに出席したり祝電を送ったりする接点が相次いで明らかになっています。 岸田総理大臣は、閣僚などを含め自民党議員が懸念や疑念を持たれていることを陳謝し、関係を断つことを党の基本方針として徹底すると強調しました。 こうした関係は、地方政治にも浸透していることが明らかになってきました。 取材に応じた現役信者の元議員は「政治に対して布教したかった。思想の啓蒙だ」と述べ、別の元議員は、自身の選挙のために付き合いを見直すことは簡単ではないとし、信者側と政治家側、それぞれにメリットがあったといいます。 複数の証言から、その実態が明らかになりました。 食事や交通費 教会負担で韓国訪問 元議員 旧統一教会と関わりがあると知りながら、関連団体のイベントに毎年出席するなどしてきた大阪府内の元市議会議員が、NHKの
新型コロナの新規感染者数が増え続け、いまだにピークが見えない“第7波”。 かつてないスピードでの感染拡大に伴って、発熱外来は受診しづらくなり、病床使用率も上昇するなど、医療のひっ迫を懸念する声が相次いでいる。 しかし、政府は“第6波”までとは異なり「行動制限は必要ない」というスタンスを崩さない。 もう行動制限は求めないということなのか。政府関係者や有識者の間では、新型コロナへの対応は局面が変わったという認識が広がりつつある。 (阿部有起) 新規感染者数は23万人超 世界最多に 7月28日、新型コロナの新規感染者数は、東京で初めて4万人を超えるなど、18の都道県でこれまでで最も多くなった。全国でも23万人を上回って、2日連続で過去最多を更新した。 これは“第6波”のピークだった2月5日のおよそ10万4000人の2倍余りに及び、感染の急拡大は収まる兆しも見えない。 また、WHO=世界保健機関に
共産党が創立から100年を迎えた。戦前から残る唯一の国政政党だ。 直近の国政選挙では苦戦が続き、国会では「共産党とは組めない」とする勢力が拡大。 しかし、志位和夫委員長は「いまこそ、100年の歴史に立った党の立場が重要だ」と力を込め、さらなる100年先を見据え、若い世代にも浸透してきていると胸を張る。 共産党がめざす「革命」とは何か?党勢の回復の道筋は描けているのか? 志位氏に問うた。 (吉岡淳平) 100年の誇り 「100年を通じ、社会変革の大目標として、『社会主義・共産主義の実現』を掲げてきたことは、こんにちにとって大事な意味を持っている。日本共産党という名前は、今後も大事に使っていきたい」 7月15日で、創立から100年を迎えた共産党。 それに先立つ13日。志位和夫委員長は、東京・JR代々木駅近くにある党本部で、NHKの単独インタビューに1時間あまりにわたって応じた。 10日に終えた
はじめまして。自身の被害に関する裁判や活動を取材いただきたくご連絡をしました。私は2年前、社会人1年目で働き始めた時に、当時一人暮らしをしていた自宅へ夜中侵入され、性暴力の被害に遭いました。加害者は逮捕されましたが、その後も苦しみが続いています メールをくれたのは、20代のそよかさん(仮名)。加害者の刑事裁判がこれから始まるのを機に、自分の体験や思いを多くの人へ伝えたいという内容でした。 年明けにお会いすると、落ち着いた様子で被害について打ち明けてくれました。 社会人1年目のとき、オートロック付きの自宅マンションで寝ていたそよかさんは、深夜2時半ごろに物音がして目が覚めました。寝ていた部屋と玄関を隔てる扉の隙間から、人影が見えたのです。その日は疲れていて、部屋の施錠を忘れていた可能性がありました。とっさに扉を閉めようとしましたが、強い力で開けられ、見知らぬ男に口を押さえられたといいます。そ
第二次世界大戦中、ユダヤ人の大量虐殺が行われたアウシュビッツ強制収容所。そのガス室跡の地中から発見された“謎のメモ”。書き残したのは、ユダヤ人でありながらナチスの大量虐殺に加担させられた「ゾンダーコマンド」と呼ばれた人たちだった。未だ多くの謎が残るホロコーストの実態。地中に埋もれていた「死者たちの告白」に迫る。 大量虐殺の実態に迫る鍵 第二次世界大戦中、ナチスドイツが組織的に行った「ユダヤ人の大量虐殺」。その犠牲者は、600万人に上るといわれている。中でもポーランド南部にあった「アウシュビッツ強制収容所」では、およそ110万人がガス室などで殺されたとされる。しかし、現場は終戦間際、証拠隠滅を図ったナチスによってほとんどが破壊された。アウシュビッツの跡地では、大量虐殺の実態の検証が今なお続けられている。 「犠牲者の遺品や資料から分かった事実を世界に伝えなければなりません。大量虐殺の実態は、未
映画監督オリバー・ストーンも絶賛。1953年に作られた戦争映画『ひろしま』が今、世界中から注目されています。 ■ETV特集「忘れられたひろしま 8万8000人が演じた"あの日"」 70年近く前に制作された1本の日本映画が、世界各地でリバイバル上映され、話題を集めている。映画の名は「ひろしま」。 実際に被爆を体験した市民8万8000人が原子爆弾の悲劇を伝えるため撮影に参加し、日本映画史上空前のスケールで撮影された。1953年に完成し、ベルリン国際映画祭で長編映画賞に入賞。しかし、不思議なことに、日本でこの映画はほとんど知られていない。 映画「ひろしま」とは、どういった作品なのか?なぜ長い間、知られざる存在となっていたのか?NHKでは、かつて映画の制作に関わった人たちや、映画に出演した被爆者たちを訪ね、日本各地、さらには海外を取材した。
僕は幼いころかなりの「テレビっ子」だった。 最初のテレビの記憶は、白黒の画面で見た山本リンダさん。 まだ幼稚園にもいけない歳だったのに、大ファンだったのを覚えている。 小学生になってからは、アニメや特撮ヒーローはもちろん、歌番組に時代劇、刑事ドラマなどなど、 兄弟が多く親の目が届かなかったこともあったのだろう、一日中テレビを見まくっていた。 眠りが浅かったので、時々深夜に起き出して、やっぱりテレビを見ながらすごした。 シャバダバシャバダバ…という音楽が流れると、罪悪感と好奇心でたまらなくなった。 「世界まるごとハウマッチ」や「クイズダービー」はもちろん、毎週欠かさず見た。 巨泉さんの豪快な笑い声は、いつも我が家の食卓を明るくした。 その巨泉さんの訃報を、僕がテレビで伝えるとは。 永六輔さんに続いて、ショックを受けた。 ニュース原稿には、「テレビの草創期を支えた…」と書いてあった。 「テレビ
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