水は大きめのボールやたらいなどにくみ置く。水道の蛇口から注ぐよりも短時間で器を水で満たすことができるからだ。一気に流し入れ、すぐ捨てる。米に糠(ぬか)のにおいが移るのを防ぐためだ。 米は研がず、水の中で米をなでるように優しく洗う感じだ。研ぎ汁が澄むまで、これを繰り返す。最近の米は精米度が高く、研ぐ必要がなくなってきている。ゴシゴシと力を入れてしまうと逆に米粒が壊れてしまい、米本来の味が損なわれると徳岡は言う。 洗い終えた米はざるに上げ、適度に休ませる。固く絞ったふきんをかけ、1時間程度、乾燥させる。その後、1〜2時間水につける。水の量は米と同量。 この手間が炊き上がりの食感を大きく変える。洗い終えた直後は米粒によって吸水量にばらつきがあるため、それを均等にならすのだと徳岡は言う。