「働かないおじさん」という言葉は、今やメディアで見ない日はないほど流行のコンテンツになっています。その語が指すところには論者によってブレがありますが、おおむね「十分とは言えない働きなのに分不相応な給与を受け取っている、一部の中高年層」といったところでしょう。 「働かないおじさん」について議論されるようになって久しいですが、なかなか改革が進まないのはなぜでしょうか。日本型雇用慣行における2つの理由があります。 「新卒一括採用」にメスを入れなければならない 日本の独特の雇用慣行の一つに新卒一括採用があります。在学中に採用選考を実施し、内定者を卒業後直ちに雇用することです。プロ野球のドラフト会議のように、現有戦力が足りていようといまいと関係なく新人を入れます。 多くの国々では、採用は基本的に欠員補充であり、職業経験がない学生をわざわざ採用しようとはしません。米国の場合は、新卒者でも就業経験なしで
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