EU加盟28カ国の携帯電話ローミング料が撤廃され、通話、SMS、データ通信が契約国内タリフと同等の条件で域内他国で使用できるようになりました。EUの単一デジタル市場化において、移動体通信の国境障壁が10年の議論と交渉のすえ取り除かれた象徴的なイベントです。 では、これによって実際に何が変わって何が起こるのでしょうか。 その背景と原則 まず、出発点として消費者保護の観点があります。GSMから3Gへの移行期に発生した各国各社の激しい競争で携帯電話料金は下がりましたが、携帯電話各社がちょっとしたイレギュラーな使用にHidden costを忍ばせ収益源とする手法が横行しました。国際ローミングはその最たるもので、旅行はもとより日常的に国境を越える人々のshock bills(パケ死)は大きな問題となり、これは単一市場の理念に真っ向から反するため欧州委員会は規制に乗り出しました。 2007年、EU加盟