三菱UFJフィナンシャル・グループがAWSへの移行を表明した「三菱ショック」から3年あまり。試行錯誤を経て、今は勘定系システムのアーキテクチャーの見直しに取り組む。メガバンクの一手からは、既存の銀行が進むべき方向性がうかがえる。 「既存の勘定系システムを全面刷新するのは難しい。低金利が銀行の収益を圧迫するなか、そこに莫大な労力とコストはかけられない。まずはアプリケーションをマイクロサービス化してから、クラウドに順次移行するのが現実解になる」。あるメガバンクの元CIO(最高情報責任者)はこう語る。 今、既存のメガバンクや地方銀行は巨大になった勘定系システムの運用・保守に頭を悩ませている。例えば、メガバンクの年間のITコストは1000億円規模に達し、そのうちの7~8割をこうした守りの領域に投じている。 メガバンクに限らずどの銀行も、守りのコストがかさみ、FinTechをはじめとした攻めの領域に