カトリック系の中学・高校の出身だったので、もともとキリスト教に関心がありました。高校時代には哲学の本も読むようになりました。大学では、哲学的なこととキリスト教的なもの、その両方を勉強したいと考えていました。そんなときに接点として浮かび上がったのが、哲学者でもあり、キリスト教神学者でもあるトマス・アクィナスでした。 創文社の『神学大全』(全45巻)は、まだ四割くらいしか出ていませんでした。ただ当時は書店に行くと『世界の名著』(中央公論社)が並んでいました。その中に、山田晶先生が訳した『神学大全』の巻がありました。非常に丁寧な注がついていて、トマス入門にもなるし、西洋哲学の基本概念を学ぶ一冊としても最適で、今でも多くの人にお勧めしています。(現在では「中公クラシックス」から二巻本で刊行)。
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