貧困問題は、われわれ人類が直面する最も大きな課題です。いま、世界の人口の5人に2人にあたる28億人が1日2ドル未満で生活しており、うち12億人が1ドル未満での生活を強いられているといわれています。結果、開発途上国では、毎日33,000人の子どもが命を失い、毎分1人以上の女性が出産で命を落としています。貧困はまた、1億人以上の子どもたちから学校に通う機会を奪っています。[1] これまで、貧困問題の解決に向けて官民双方から様々な取り組みがなされてきました。それらの成果が直接・間接的にどれぐらいあったのかを測ることはできませんが、1日1ドル未満で生活する最貧困層の数は着実に減少していることがわかっています。これはまぎれもなく良いニュースでしょう。しかし残念ながら、それが地域ごとに均等にみられるわけではありません。実際、中国以外の開発途上国では1日1ドルの水準から抜け出した人の数は1980年以来ほ