論文書きのために、次の本を読んだ。 西田幾多郎の生命哲学 (講談社現代新書) 作者: 檜垣立哉出版社/メーカー: 講談社発売日: 2005/01/19メディア: 新書購入: 3人 クリック: 43回この商品を含むブログ (28件) を見る なかなか面白かった。西田は、『善の研究』を読んでいたほかは、後期の全集などをぱらぱらと読むくらいだったから、この本を読むことで西田の全体像を、いまっぽい枠組みで概観することができた。京都学派とのしがらみなしに西田を読める良い本だと思う。 檜垣さんは、西田を生命の哲学として読み解こうとする。前半がとくに引き締まっていてクリアーである。後半はちょっと息切れしてるかなとか思うが、言いたいことは分かる。西田自身が後期・晩年は煮詰まっているのだろう。 檜垣さんは「生命」についてこのように言う。 生命は自らを展開させる力をもっている。生命は自己増殖し、自己展開し、進