Dec 07,2011 UP James FerraroFar Side Virtual Hippos In Tanks ベスト・バイは、日本で言えばヨドバシ・カメラやビック・カメラのようなアメリカの超巨大家電チェーン店だが、しかしそれは主として郊外にある。フォックス・スポーツはFOX社のスポーツ中継番組で、アメリカンフットボールをはじめ、メジャーリーグベースボールも放映している。昨年、〈オールド・スペリング・イングリッシュ・ビー〉からアナログ盤として再発された(オリジナルは2008年のカセット・リリース)ジェームズ・フェラーロの『ラスト・アメリカン・ヒーロー』のスリーヴ・アートは、ベスト・バイの鮮やかな発色の青と黄の看板の写真が使われている。裏側にはフォックス・スポーツのロゴ、そしてベスト・バイの駐車場に駐めてある車とロボットがコラージュされている。封入されたライナーノーツには、アメリカ
Home > Reviews > Album Reviews > Anstam - Dispel Dances / Greie Gut Fraktion - Rekonstruktion テクノとダブステップの架け橋となったモードセレクターの3作目にはあまりいい部分を感じることはできなかったけれど(がんばれ、トム・ヨーク!)、彼らが主宰するモンキータウン傘下の〈50ウェポンズ〉からデビュー・アルバムを放ったラース&ヤン・シュトゥーヴェにはUKベースに対するドイツからの最良のアンサーを感じ取ることができた。すでにレイディオヘッドのリミックス・アルバムにも起用されていたので、その感触に触れた人も少なからずではないかと思うけれど、イージーにいうと、これはブラック・ストロボのダブステップ・ヴァージョンであり、ジャーマン・トランスをベース・ミュージックに様変わりさせたアップ・トゥ・デイト・ヴァージョ
リスナーが音楽のなかに快楽とユーモアを求めているなら、通学や通勤のときのげんなりした気持ちを鼓膜を通じてupしたいのなら、本作『デイドリーム・リピーター(夢想中毒者)』を推薦しよう。コ・ラ(Co La)......コカ・コーラ(Coca-Cola)からカ・コ(ca-co)を削除した名義のこれは、バルチモアのドローン/ノイズのバンド、エクスタティック・サンシャインのメンバー、マット・パピッチによるプロジェクトで、そして『夢想中毒者』はそのデビュー作となる。 『夢想中毒者』は、ある意味ではダブ・アルバムである。しかしこのダブは、キングストンはもとより、ダブステップの重さともベーシック・チャンネルのミニマリズムとも、あるいはハイプ・ウィリアムスの深い酩酊とも、〈ジャータリ〉のロービットともまったく異なっている。ディレイにエコーといったダブのクリシェを多用しながらも、そのドライなポップ・アート的な
Kではじまるクラスターからコンラッド・シュニッツラーが抜けてCではじまるクラスターになり、さらにメビウスの代わりにオンネン・ボックが参加してQではじまるクラスターに。あはは。ボックはレデリウスがメタル・ボウルなどの演奏で参加していたクリスチャン・キュービック(裏アンビエントP102)の人脈からフック・アップされたようで、ツァイトクラッツァー・アンサンブルの一員として活動するサウンド・インスタレイションの若手。 CとQは並行して活動を続けるらしく、それはつまり、レデリウスから溢れ出る創作意欲をメビウスだけでは受け止めきれないということなのか、いずれにしろレデリウスとクリント・イーストウッドはいまや暴走老人の域に達していることはたしか。2011年にレデリウス・ミュージックから配信されたコラボレイションの数は......とにかく多い(ちなみに寡作とはいえ、09年にリリースされたメビウスのソロ作『
Nov 22,2011 UP Oneohtrix Point NeverReplica Mexican Summer / Software 紙ele-kingの「0号」に載ったダニエル・ロパーティンのインタヴューを読んで、彼がたとえるところの「歯医者の治療音とその場に流れるBGMのソフト・ロック」という言葉のなかに、三田格が文中で指摘する「ノイズとアンビエントも等価」もさることながら、ワンオートリックス・ポイント・ネヴァー(OPN)のユーモア体質を確認した。フォード&ロパーティン名義の作品におけるシニカルな風刺ないしはその低俗さもそれを思えば「なるほど」といった感じである。ところが、アメリカのあるレヴュワーときたら「『リターナル』が(不確実的シナリオを基礎としたオープンスペースの超認識ヴィジョンにおける)ルソー的作品であるなら『レプリカ』はデュシャン的だと言えよう」などと書いている。最初に
Nov 18,2011 UP Vas Deferens OrganizationEye Peels & Brain Picks Puer Gravy エアリアル・ピンクはとんでもないものを蘇らせてしまったのかもしれない。 2年前にエアリアルとヴァス・ディフェレンス・オーガニゼイション(以下、VDO)のふたり(=ランブルー&キャスティル)、そして、彼らのオケイジョナル・コラボレイターであるクリストファー・ムークによって結成されたシット・アンド・ギグルズはVDOによる奇天烈なサイケデリック・ロックを軸にしつつ、随所にエアリアルのポップ性を注入することで傑作『トリック・オア・トリート』を生み出した。『マジカル・ミステリー・ツアー』に裏街道が用意されていたとしたら確実にこのようなものになっただろうと思わせる同作は、サイケデリック・ロックの楽しさを存分に楽しませてくれる1枚であり、シド・バレットが在
Oct 14,2010 UP Expressway Yo-Yo DietingBubblethug Weird Forest 先月、アウター・スペースをピック・アップした際に「ドローンとテクノの壁にも穴が空きはじめ(中略)それがひとつの流れになるならば、スティーヴン・オモーリーのギターにジェフ・ミルズがリズムをつけるとか(中略)聴いてみたいと思う組み合わせは無数に思い浮かぶ。誰が最初にやるんだろうか」と書いた直後にデトロイト・テクノのホアン・アトキンスがこのところ急速にドローンへの傾斜を強めているサイキック・イルズのリミックスを手掛けていて、一瞬はゲッと驚いたものの、仕上がりはそれほどのものではなかった。キックが途絶えてドローンの一部がループされるなど手法的にはテクノ・フィールドに引きずり込んだだけで、ドローンは素材として料理されていただけだったからである。かなり本格的なドローン・ミュージ
"チルウェイヴ"という言葉が生まれ、多くのリスナーはそこに"現実逃避"を求めた。ウォッシュド・アウトやネオン・インディアンなどが注目を集めるようになり、同時に様々な議論のネタになった。"現実逃避"のみを対象とすれば、『Bon Iver』で「ボン・イヴェールこそが居場所」としたジャスティン・ヴァーノン。"歌声"という聖域を犯しながら、そこに新たなソウルを宿して見せたジェームズ・ブレイクなども"現実逃避"的な音楽を鳴らしている者達だろう。他にもブリアルやアニマル・コレクティブなど、ここ数年で枚挙にいとまがないくらい"現実逃避"的な音楽は生まれ続けてきた。 僕自身こうした流れをポジティブに捉えている。というのも、従来の逃避、つまり現実に背を向け見て見ぬフリをしてきた逃避とは少し違うものを感じるからだ。様々なものが複雑になりフラット化していくなか、多くのものが見えづらくなってしまった現代において何
スリープ∞オーヴァーに関しては、まず本作制作前にふたりのメンバーが抜けて実質ステファニー・フランチオッティのソロ作品になってしまったというエピソードから語られる。2009年オースティンにて女性3人で結成されたスリープ∞オーヴァーは、スウィートでサイケデリックなファズ・ポップを作るバンドだった。2010年には〈ライト・ロッジ〉や〈フォレスト・ファミリー〉から7インチをリリースし、とくに前者はピュアX前身のピュア・エクスタシーとのスプリットだったこともあり、期待と注目を集めはじめていた矢先のことだ。去ったふたりは新たなバンドを始動させている。どのようないきさつがあったのかは知らないが、ひとりになってしまったフランチオッティが名義を変えることもなく「この作品は意図的にこれまでの音と違ったものを目指したわけではない。けれど自分自身が次のレベルに行こうと思ってレコーディングしたものだ」と話しているの
Home > Features > Interview > interview with Amanda Brown インタヴュー・ウィズ・LA吸血鬼――アマンダ・ブラウン、インタヴュー その奇矯なエロティシズム、挑発的でビザールなヴィジュアル、ノイズ、ドローン、アンビエント、ダブ、ファンク、それから低俗なディスコまでもがミックスされる奇異な音楽性、混乱、混乱、また混乱、キッチュ、キッチュ、またキッチュ......あるいはヴァイナルとカセットで限定リリースされる大量の作品群(たとえば2005年の1年だけでも20枚以上の作品を限定リリースしている)。2004年にはじまったロサンジェルスの〈ノット・ノット・ファン〉は、現在リスナーにとってもっともミステリアスなレーベルのひとつである。 アマンダ・ブラウンはレーベルの創始者のひとりだ。彼女は......強いて喩えるのなら、ポスト・ライオット・ガール
トロ・イ・モワ(チャズ・バンディック)は今年発表したセカンド・アルバム『アンダーニース・ザ・パイン』でふたつの方向性を見せている。ひとつはソフト・ロック路線、もうひとつは今回の5曲入りのEP「フリーキング・アウト(ぶっ飛び)」で展開しているディスコへのアプローチだ。 もっとも「ジェリービーン(マドンナの初期のプロデューサーとして知られるDJ)がイーノといっしょにやった感じだ」と、この新作を喩えていた人がいたように、「フリーキング・アウト」はダフト・パンクの背中を見ているような作品ではない。『コージャーズ・オブ・ディス』で展開したチルウェイヴ感覚は活かされたまま、ダンス・ビートはよりファンキーに変換されている。音の質感は「シューゲイズ+ディスコ・ビート」そのものだと言えるが、ポップスとしての洗練度は高まり、まあ何よりも「フリーキング・アウト」は僕から見たところの80年代ディスコの場末感=あの
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