「江戸しぐさ」という言葉をご存じでしょうか。「江戸商人の間で広まった人間関係を円滑にするための行動哲学」と言うと少し難しく感じてしまいますが、「先人が残した人付き合いの知恵」と言い換えても良いでしょう。近年は小学生向け道徳の教科書にも採用されるなど、この先人のマナーに注目が集まっています。 「世界史的にも類を見ない約260年に渡る江戸治世と平和の秘訣は『江戸しぐさ』にあったと考えられます」と話すのは「江戸しぐさを考える会」の曽野よし子会長。江戸商人が築いた「江戸しぐさ」が円満な人間関係を作り上げ、ひいては国全体を平和に導いたのだと言います。 日本で唯一現存する江戸しぐさを網羅した書物「江戸仕草大百科」には全82種類の江戸しぐさが記録されており、曽野さんの一族がこの「大百科」を代々受け継いできました。残念ながらうっかり家に忘れてしまったとのことで、取材日に本物を見ることはできませんでしたが、
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