【パリ=三井美奈】ローマ法王フランシスコは20日に開始したタイ、日本歴訪で核兵器廃絶や宗教間の対話を訴え、「平和外交」を展開する。アジア関与を鮮明にする法王が、香港の反政府デモについて、どう発言するかが注目される。 法王は18日に発表したビデオメッセージで、訪日のテーマは「すべてのいのちを守るため」だと述べ、被爆国の日本から核兵器廃絶を訴える意義を強調した。法王は2014年、「人類はナガサキ、ヒロシマから何も学んでいない」と発言。17年末には、被爆した長崎で火葬場に立つ少年の写真に「戦争がもたらすもの」という言葉を添えて配布し、反戦への思いを示した。人口の95%を仏教徒が占めるタイでは、異なる宗教間の対話を促すとみられる。 法王のアジア訪問は、バチカン(法王庁)が昨年9月に国交断絶中の中国との間で司教任命権の暫定合意を結んで以来、初めてとなる。法王は特別機で上空を通過する国にメッセージを送