明治32年(1899)に発表された『鉄道唱歌』。「汽笛一声新橋を」でおなじみですが、全文読んだことのある人は少ないのでは? 実は『東海道』『山陽・九州』『奥州線・磐城線』『北陸地方』『関西・参宮・南海各線』の全5集もあって、本当は日本中をめぐる“地理教育の歌”だったんですね〜。 もともとこの歌を作った出版社が倒産し、版権を譲り受けたのが楽器商の三木佐吉でした。三木は、列車の借り切りや音楽隊の演奏などの大宣伝を繰り返し、そうした努力のおかげで、この曲は大人気を博すことになるのでした。 そして、あまりの人気に、その後、作者自ら膨大な改訂版や亜種を出していくのです。いわゆる「鉄道もの」や「旅行もの」は以下の通り。 ●明治39年『満韓鉄道唱歌』 ●明治39、40年『北海道唱歌』 ●明治40年『内地旅行唱歌』 ●明治40年『韓国旅行唱歌』 ●明治40年『満洲旅行唱歌』 ●明治40年『汽車汽船日本一周