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ブックマーク / finalvent.cocolog-nifty.com (44)

  • オバマ流平和術:テロにはテロを: 極東ブログ

    イエメン拠点イスラム武装組織「アラビア半島のアルカイダ」(AQAP: Al-Qaeda in the Arabian Peninsula)指導者アンワル・アウラキ(Anwar al-Awlaqi)師が暗殺された。暗殺の首謀者はいうまでもないオバマ米国大領である。ノーベル平和賞受賞者でもあるが。 アウラキ師暗殺の発表は9月30日にあった。NNHK「“アルカイダ系指導者を殺害”公表」(参照)は次のように現地報道を伝えた。 中東イエメンの国防省は国際テロ組織アルカイダ系の武装組織の指導者でアメリカを狙った複数のテロ事件に関与したとされるアンワル・アウラキ容疑者を殺害したと発表しました。 イエメン国防省は30日、イエメン国内を拠点とするアルカイダ系組織「アラビア半島のアルカイダ」の精神的な指導者、アンワル・アウラキ容疑者を殺害したと発表しました。現地からの報道によりますと、イエメン軍は30日朝、中

    octavarium
    octavarium 2011/10/04
    問題は、推定無罪の原則を守るべき国が裁判所の許可を得ずに市民の生命を奪うことができるのかどうかである。
  • [書評]Say It Better in English: Useful Phrases for Work & Everyday Life(Marianna Pascal): 極東ブログ

    [書評]Say It Better in English: Useful Phrases for Work & Everyday Life(Marianna Pascal) 先日ツイッターで英語勉強法の話題があって、「それならいいのがありますよ」みたいなことをつぶやいた。念頭にあったのは、この、「Say It Better in English: Useful Phrases for Work & Everyday Life(Marianna Pascal)」(参照)。タイトルを訳すと、「英語で上手に言う方法。職場と日々の暮らしで役立つ言い回し」となるだろうか。そういう感じの。 日常的な英会話でよく使われる表現を368個まとめて、それに簡単な解説とイラストと例文が付いている。ちょっとした絵といった風情なので、中学生が読んでもいい。英語のレベルからすると、中学生くらいが相当かもしれな

  • [書評]続明暗(水村美苗): 極東ブログ

    漱石の「明暗」(参照)をこのところ、二週間くらいかけてだろうか、のろのろと再読していた。電子ブックを使った。i文庫というモバイル端末向けアプリケーションに青空文庫のテキストを入れたものである。 考えつつ、辞書を引きつつ読んだ。当初、さほど再読するつもりもなかったのだが、読み出したら引き込まれて止まらなかった。それでいて速読もできないという奇妙な塩梅だった。この小説は再読するとかくも面白いものかとあらためて思う。結末は既知である。結末がないことを知っているというべきかもしれない。だからこそ鏤められた伏線を読み解くパズルのような面白さがある。 一昨日だがようやく読み終えて、上質の文学だけがもたらすある恍惚感に浸った。言葉にするのは無粋でありながら言葉にせずにはおれない衝迫性のあれである。 清子の印象は大分変わった。彼女が由雄と付き合ったころは処女であり、そして肉体関係ということでは由雄が最初の

  • [書評]日本復興計画(大前研一): 極東ブログ

    書「日復興計画(大前研一)」(参照)は、一昔前の言葉でいうと緊急出版というのだろう。英語だと"hot off the press"という感じか。それだと普通に新刊というだけか。公衆に意見・思想を伝えるのは、出版としてのthe pressであった時代があった。だから、市民のその権利を守るために"Freedom of the press"が問われ、その時代は「出版の自由」と呼ばれたものだった。今でも古い時代の文書にその言葉が死語になって残っている。 現代で"Freedom of the press"をいうなら「報道の自由」であろう。そして、現代で「報道の自由」というなら、sengoku38さんの顰み倣うまでもなく、ユーチューブということになるだろう。オピニオンリーダーである大前研一さんも、そうした。「東日巨大地震 福島原発半径20km以内の住民に避難指示(3月13日収録)」(参照)である

    octavarium
    octavarium 2011/05/02
    この本は重要史料となるだろうとも思った。
  • 夢の中国人コンサルタント: 極東ブログ

    このところ気の滅入るようなエントリーばかり書いているせいか、ツイッターで、また料理の話書いてくださいといったことを言われた。そうだなあ。料理とかボードゲームの話もないわけではないが、とふと先日の夢を思い出した。 夢のチャーハン(参照)に似ている。残念ながら件の老師は出てこないのだが、日語の達者な中国人中年のビジネスコンサルタントが出て来た。中国ビジネスの極意3点を日人に教えましょうというのだ。へえ。いやいや、たかが夢の中のことなんだけどね。 夢の話の前段はあまり覚えていない。「君、このセミナーのこれに出席してくれ」ということだったような。それで、はあ、と答えて50人ほどの殺風景な講演会に参加した。が、これが意外やなかなかよい話で、いいこと聞いたなあと思った。 実際のところは自分の夢の話にすぎず、なんの元ネタもなし。つまり、まったくのでたらめもいいところ。でも、もしかすると、当たっている

  • 夢のチャーハン: 極東ブログ

    「夢のチャーハン」と言うと、夢のようにすばらしいチャーハンを思う人がいても不思議ではないから、最初にお断りしておかないといけない。その逆なんだ。こんなに貧しいチャーハンはないとくらいのもの。じゃあ、貧しくてチャーハンを夢に見るのかというと、そうでもないのだけど、だいたいあってるとも言える。夢に見たのだ、そのチャーハン。 夢のなかの出来事だと後でわかるんだけど、夢を見つつも、なんか変だなとは思っている。そんな夢にありがちな雰囲気。さて事か、と僕は思っている。冷蔵庫を開く。冷や飯以外にさしたる材はない。これはもう最終炒飯(参照)だなと思うけど、ネギもない。だめだ。かくなる上は冷や飯に水でもかけてうかと嘆息すると、年老いて痩せて、ちょっと汚れた調理服を着た中国人の料理人がニコニコとやってくる。誰、この爺さん。 「チャーハン、できるよ」という。 「ネギないんですよ」と僕は答える。 「ネギ、い

  • 台湾陸軍少将が中国のスパイだった話の雑感: 極東ブログ

    で報道されなかったわけではないが、台湾陸軍少将が中国のスパイだったというニュースは、それほど日では話題にならなかったように思う。 話は2月8日のこと。まず報道の確認から。朝日新聞記事「中国台湾軍少将が機密漏らす 指揮用の情報システムか」(参照)がよくまとまっている。 台湾軍の現役陸軍少将が機密情報を中国に漏らしていたとして、軍検察が勾留、取り調べていることが明らかになった。少将は通信関連を担当する要職に就いており、安全保障の根幹を揺るがすとの懸念が広がっている。将官級による機密漏洩(ろうえい)の発覚は、国民党政権が台湾に移った直後の1950年ごろ以来という。 台湾各紙によると羅少将は、米クリントン政権時に売却が決まった、陸海空を統合した作戦指揮のための高度情報通信システム「博勝」にかかわっていた。有事には米軍側と接続可能とされるこのシステムの情報が漏れた可能性があり、台湾各紙は米国

    octavarium
    octavarium 2011/02/25
    中国経済の破綻が中国軍部の暴走の引き金になると見るは、日本では禁句かもしれないが国際的な常識と言っていいだろう。
  • 韓国人が居住する延坪島に北朝鮮が砲弾を撃ち込んだのはなぜか: 極東ブログ

    昨日午後二時半すぎ、朝鮮半島西側の黄海上、韓国市民居住の延坪島に北朝鮮が野戦砲によって数十発の砲弾を撃ち込み、韓国軍も砲弾線で応戦する事態となった。被害として、韓国軍側に死者二名、重軽傷十数名を出した。民間集落では住民三名が負傷した。 1999年、2002年でもこの海域に軍事的な衝突はあったものの、韓国が実効支配し、市民が生活している地域に、挑発とはいえ、攻撃をしかけたのは1953年以来のことで、異例の事態であった。しかし、その後はとりあえず沈静化しており、これ以上に戦禍は拡大されないだろう(参照)。 なぜこのような事態になったのか。 韓国および国連が主張する北方限界線を北朝鮮は認めていないことが背景にある。北朝鮮としては、1953年の停戦協定によって地上での軍事境界線は定めたが海上の規定はないとし、独自の海上軍事境界線を主張している。今回の延坪島はこの2者の主張する2線に挟まれた地域にあ

  • どういう法的根拠でグーグルは尖閣ビデオ流出記録を開示するのだろうか: 極東ブログ

    政府が非公開とした尖閣ビデオがユーチューブに流出した問題で、検察が同サイトを運営するグーグルに対して投稿者の通信記録の開示を要請した。これに対してグーグルは「法律に基づく要請があれば、捜査に協力していく」と回答。さて、いったいどういう法的根拠だとグーグルは尖閣ビデオ流出投稿者記録を開示するだろうか。愚問かもしれないがわからない。存外に深い問題を秘めているかもしれないのでブログで愚考してみたい。 尖閣ビデオ流出から三日以上も経ち、NHKの7時のニュースでも毎日報道され、それなりに流出の真相解明が進んでいるのかと思いきや、実際に流出映像が投稿されたユーチューブ側での解明は進んでいない。 この件について今日のNHKグーグル“捜査には協力”」(参照)はこう報道している。 この問題で検察当局は、衝突事件の映像が流された動画投稿サイトの「ユーチューブ」を運営するアメリカの大手ネット企業のグーグルに対

  • 尖閣沖衝突事件の背景にポスト胡錦濤時代の権力闘争があるのでは: 極東ブログ

    尖閣沖衝突事件について日人が日側から見るのは自然なことだし、この地域の実効支配が日米安保条約つまり実質米軍に支えられているにもかかわらず日からナショナリズム的に強行論が出てるのも、戦後が遠くなる風景でもある。しかしこの事件中国側から考えるとかなり奇妙な事件でもあった。 前回のエントリー(参照)では詳しく言及しなかったが、今回の中国「漁船」の領海侵犯には奇妙な点がいくつもあった。 公務執行妨害となったのは一隻だが、他にも「漁船」は繰り出していて船団を形成していた。また中国としては自国領という主張があるにせよ日が警戒している領域で堂々と大きなトロール漁の網を打っていたことや、警告を受けてから体当たりをくらわせるといった点も異例だった。 しかし日という文脈を外せばそれほど異例ではない。この数年、中国「漁船」には対米的に異常な活動が目立っていた。昨年の事例としては、2009年5月6日付

  • 興興(コウコウ)の憂い: 極東ブログ

    千年に一度という異例の暑い夏が続く日々。2010年の9月9日、気怠い午前のことだった。人見知りの彼女は発情していた。 中国から神戸に連れてこられた時はまだ4歳だった。旦旦(タンタン)、雌のパンダ。14歳になる。 一緒に来日した雄のパンダが興興(コウコウ)である。一つ、年下だった。旦旦と興興は震災に襲われた神戸にとって「復興の使節」とも呼ばれ、歓迎された。野外プール付きの新居には3億円をかけた。その生活は誰もが羨んだ。好きな時に寝て、好きな時に起きる。公務は少ない。だが、人びとの笑顔の裏から重たいプレッシャーが伝わった。子どもを産んでくれ、是非、お世継ぎを、と。 別れは突然にやってる。6歳となった興興は惜別の声に送られて2002年、中国に帰ることになった。「なぜ帰っちゃうの」と近隣の幼稚園児は聞いた。興興は答えることができない。大人も答えることができない。彼の生殖器の発達が依然未成熟だったか

    octavarium
    octavarium 2010/09/23
    「陰謀論好き中国人にとっては、しかしながら、興興の最期は屈辱ではすまかった。それは卑劣な殺害事件であった。」
  • 日本経済成長鈍化・進む円高、フィナンシャル・タイムズの見立て: 極東ブログ

    16日に内閣府が発表した、今年の第二・四半期の国内総生産(GDP)速報値では、実質GDP(季節調整値)は前期比の0.1%増だった。年率換算では0.4%増となる。かろうじて輸出で持ちこたえているものの、日の経済成長率が急速に鈍化したことが明らかになった。 結果、米ドル換算で日のGDPは1兆2883億ドルとなり、同期の中国の1兆3369億ドルを下回り、(参照)、経済規模で日中国に続く世界第3位となった。 年初ころには年率2%の予測もあったことから、日経済の失墜の兆候として同日には株価も落ち込み、9000円を割るかとも思えたが、その後は少し持ちこたえている。が、円高も進んだため、今後の輸出の展望も開けない。 日はどうしたらよいのか。すでに事実上のレームダックである菅直人首相だが、20日、閣僚懇談会で円高や景気減速への対応策を検討するよう関係閣僚に指示した。内実は「予算を伴わない形の経

  • [書評]ヒストリエ 1-6(岩明均): 極東ブログ

    こんな面白い物語を読んだのは何年ぶりだろう。「ヒストリエ(岩明均)」(参照)は、たまたまブックマークコメントで知った歴史物のマンガだった。 扱っている時代は、私が関心を持っているアレキサンダー(アレキサンドロス)大王とおそらくその死後である。主人公は大王の書記官となるエウメネス。面白いところに目を付けたなと思い、とりあえず一巻目(参照)を買って読んでみた。この時点ではそれほどの期待はしていなかった。 冒頭いきなりスプラッタなシーンで始まる上、背景となる物語は一巻の終わりで回想シーンに接続するため、スターウォーズエピソード4から1に戻るような印象もあった。巻頭から登場する主人公エウメネスと他の登場人物の関連も多少つかみにくい。エウメネスのキャラクターもシニカルで冷たく、描画上もいわゆる主人公らしさは薄い。私など、カルディア包囲の指揮官に「あれがマケドニア王だったんじゃないかのかなァ」というエ

  • [書評]多面体折り紙の本、3冊: 極東ブログ

    折り紙が趣味と言えるほどのことはないが、好きでたまに折る。三つ子の魂百までの部類かもしれない。三歳くらいから折っていた。実家の書棚に昭和30年代の折り紙のが一冊あるはずだ。 折り紙にはいくつか思い出がある。一つは、20代のころ知的障害児と遊ぶということをしていたときのことだ。何だったら遊んでくれるかなと、いろいろ単純なおもちゃを揃えたなかに、折り紙も入れてみた。そしてやってみた。うまくいかなかった。折り紙というのは、けっこう難しいものだと思った。 30代のころ、インドに行って地元のNPOと子どもを交えたちょっとした交流会があって、そうだな何をするかなと、折り紙を持って行ったことがある。とりあえずパフォーマンスはできたものの、率直に言って、現地の子どもは関心を持ってなかった。外国人なら、折り紙関心あるだろうなとそれなりに思っていたのだったが、そういう関心があるのは、むしろ工業製品にあふれた

    octavarium
    octavarium 2010/08/07
    折り紙
  • 鳩山由紀夫首相、辞任: 極東ブログ

    鳩山由紀夫首相は退陣すべきだと思っていたが、これまでどれほど失態しても嘘と無責任を貫いてきたので、このまま参院選で痛い目に合うしかないのだろうとも思っていた。しかも実際にはそれほど痛い目に合うこともないのかもしれない。そんな中、今日午前、鳩山首相辞任と聞いて少し驚いた。小沢幹事長も辞任すると聞いて、もう少し驚いた。辞任の弁を聞いて、呆れた。 会見では鳩山首相は涙ぐんでいるようにも見えた。辺野古に新基地を押しつけた時点で辞任を考えていたのかもしれない。が、実際に話を聞いていると、当にダメだったんだなこの人という思いを新たにした。産経新聞「鳩山発言詳報」(参照)より。また、ユーチューブにも公開されている(参照)。 ■ 国民に聞く耳がなかった、と ただ、残念なことに、そのような私たち政権与党のしっかりとした仕事が必ずしも国民のみなさんの心に映っていません。国民のみなさんが徐々に徐々に聞く耳を持

  • ツイッターのこと: 極東ブログ

    ツイッター(Twitter)が話題になっているというか、世間的な話題についてはいろいろ言われているので、僕なんかが言うことはさしてないと思う。「Twitter社会論(津田大介)」(参照)のように簡素に読めて良書もある。とはいえ、自分なりにツイッターを使ってみて思うこともあるので、少し。 ツイッターはもともとは、メッセンジャーの拡大くらいのノリだったんだろう。もうけっこうな昔になってしまうけど、ニフティサーブというパソコン通信で、ログインしてうろうろしていると、「今、メメメでチャット中。来ない?」みたいなメッセージがプロンプトに送られてくることがあった。ああいうメッセージングの仕組みだ。確かWindowsのプロンプトでもできたと思うけど、すっかり忘れた。Google Talkというのもあったな。まあ、メッセージ交換の通信サービスということだ。 それで、この「そっちどう?」というふうに状況が問

  • 若いときにやってみるとその後の人生観が変わるかもしれない、多少些細な3つのこと: 極東ブログ

    若いときといっても、18歳くらいから28歳くらいまでかな。それより前やそれより後だと、ちょっと意味が違ってきそうなので。 他の人もこの手の話を言っているかもしれないけど、あまり聞いたことがない。些細なことではあるし、人によっては人生になんの影響も与えないかもしれない。それと、簡単にできるとまでは言い難い。まあ、能書きはいいや。 1 車いすに乗って半日町を巡ってみる 車いすを借りて、しかもサポートしてもらう人がもう一人か二人必要になる。私のお勧めとしては、二人で車いすを一台一日借りてきて午前午後と一日かけてみるといいと思う。交通機関を使うのも目的の一つみたいなものだから、半日で無理なく行ける行き先を決めるといいだろう。 やってみると、驚きの連続だと思う。世界がまるで違って見える。そして、路上の小さな段差がどれだけ車いすを困らしているかもわかる。 こういう体験学習、誰かすでに組織的にやっている

  • [書評] 1Q84感想、補足: 極東ブログ

    補足的雑感を。 * * * book 1の冒頭が4月なので、もう四半期のbook 4までありえないことないかなとも思ったが、(1) 1Q84という年は12月をもって終わるので、book 3の終わりがそれに相当するだろう、(2) 次の物語の展開は、ドウタの出現だがそれは4月を超える、ということで、ここで完結だろう。 しいていえば、(3) book3の構成はbook 1およびbook 2ほどには計算されていないので(時間もなかったのだろうが)、文章の息がややまばらになっていて、これ以上は継続できない。 * * * book3で完結感はあるかといえば、十分にあると言ってもよいだろう。その最大の理由は、book 1とbook 2の謎を、従来の村上春樹長編のクセのように放置しなかったこともだが、やり過ぎた暗喩(特にリーダーの予言)がいくつかbook 3で変更されていることから、それなりの落とし前の意

  • [書評] 1Q84 book3 (村上春樹): 極東ブログ

    私たちの世界では、夏目漱石の「明暗」(参照)の結末を知ることはできない。ドストエフスキーが当に書きたかった「カラマーゾフの兄弟」(参照・参照)の第二部を読むこともできない。命と引き替えに文学を超えようとした存在の出現は許されない。あるいは川端康成(参照)の「千羽鶴」(参照)の続編「波千鳥」のように、作者の生の有様が存在を限界付けることもある。村上春樹の「1Q84 book1, book2」(参照)は、文学を超えようとする手前で放置されかけた。が、不思議な形で完結した。 不思議な形というのは、後続するbook3は、book1と book2とはあたかも異なる作者による批評の作品として読めるからだ。1Q84のbook1と book2が投げかける巨大な謎を、村上春樹自身が批評家としてbook3でおそらく渾身を込めて解き明かして見せた。彼が文学の批評に立ったのはこの作品が初めてだし、そのことでおそ

  • イエメンへ拡大する米国のテロ戦争: 極東ブログ

    昨年12月25日アムステルダム発デトロイト行きのノースウエスト航空機で発生した爆破テロ未遂事件のアブドルムタラブ容疑者(23)は、自供によればイエメン在の国際テロ組織アルカイダでテロ訓練を受け、その関係者から今回の爆弾を入手していた。容疑者の父親はナイジェリアの大手銀行のトップで、息子もロンドン高級住宅地の裕福な環境に育った。貧困がテロを生むといった議論の反証例のような事件でもあった。 未遂とはいえ米国のテロ際策に不備があった。容疑者搭乗に際して「人為・組織的なミスがあった」とオバマ米大統領も認めている。今後テロ対策は不備を補うべくブッシュ政権下に多少近づくように強化されるだろう。 今回の事件はセプテンバーイレブンのテロ恐怖を米国人に思い起こさせるものであり、日人からは想像がつきづらいほどアルカイダへの敵意も米国には見られる。犯行の背景は正確に言えばまだ解明されていない。だが、今回は愉快

    octavarium
    octavarium 2010/01/06
    イエメン政府は自国内のアルカイダ拠点への掃討作戦を開始し、米国も武器供与や軍事訓練などで支援する。直接的には米国の戦争とは言えないが、オバマ米大統領の下、テロ戦争はブッシュ政権下より拡大するだろう。