消費者のコメ離れなどを背景に、来年にかけて米価が下落傾向を強めそうだ。農林水産省が30日公表したコメの需給見通しは、今年7月~来年6月の主食用の消費量を過去最低の805万トンと予測。一方、今年6月末時点のコメの在庫は過去7年間で最高水準に達しており、今年の作柄は豊作も予想されるため、大量のコメが余る可能性が高い。 コメ消費は長期的に低迷している。小麦価格急騰でコメに消費が回帰した07年7月~08年6月は850万トンと3年ぶりに前年同期を上回ったが、その後は再び減少し、09年7月~10年6月は809万トンに落ち込んだ。 このため市場では08年産や09年産のコメも売れ残り、米価は下がり続けている。今年6月末時点のコメ在庫は316万トンに達し、今年産米の生産見込み813万トンと合わせた供給量は計1129万トンと、消費量予測の805万トンを大きく上回る。今年は猛暑で豊作の可能性も高まっており、コメ