NHKと民放でつくる放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会は5日、長野県上田市で老夫婦が殺害された事件を取り上げたテレビ朝日「報道ステーション」の特集について、「被害者側への配慮に乏しく、公平性を欠く内容だった」などと指摘し、放送倫理上問題があったとする見解を発表した。申立人が主張した名誉毀損については「報道内容の主要部分は事実」として、認めなかった。 問題となったのは平成20年12月23日放送分で、番組では同年11月、長野県上田市で老夫婦が隣人の男に殺害された事件を取り上げ、被害者と加害者の間に境界線を巡るトラブルがあったなどと報じた。放送後、被害者遺族が「被害者夫婦の長年の嫌がらせが殺害動機を形成したかのような放送内容は事実に反する」などと主張、番組に謝罪と訂正を求めていた。 委員会は、特集が周辺住民のインタビューを中心に構成され、「被害者に一定のマイナスイメージを与えるもの