日本経済の命運を握っているのは、若者たちだ。若者が意欲に欠ける、海外に出たがらない、などと批判の声を聞く。 しかし、彼らから目の輝きを奪ったのは我々自身だ。家庭では親たちが包容力を失い、不機嫌だ。学校では教師が、知識のかけらを売るだけの存在になった。生きる力を授ける場が機能していない。 社会に出ると、気むずかしい我々が足を引っぱる。若造が何を偉そうに、と。創造力がなく、惰性で古い秩序を守るだけの我々に、若者の意欲の欠如を批判する資格はない。 人口が減り、成長力が低下していく日本。起業やイノベーションに挑戦する若者を応援することが、とても大切だ。そのためには、税制など経済政策面から創業を促すことがもちろん必要だ。同時に、教育の中身を考え直すことが欠かせない。白紙から自分で考える能力、困難を乗り越える知恵と精神力を身につけさせたい。外国の取引先や競争相手とつきあい、信頼関係を作り上げる能