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ブックマーク / cruel.org (64)

  • 「エコノミスト」より:スタバの節税など

     目を覚ましてコーヒーの香りを: スタバの節税バッシング in UK (The Economist Vol 387, No. 8580 (2012/12/15) p.58, "Wake up and smell the coffee") 山形浩生訳 (hiyori13@alum.mit.edu) 「これは空前のコミットメントです」とイギリス・アイルランドのスターバックスの親玉、クリス・エングスコブは 12 月 6 日に述べた。この日、同社は 2013-14 年度にイギリス税務署に対し、法的に必要とされる納税額を年間およそ一千万ポンドうわまわる金額を自発的に支払うと発表したのだった。別に当局から何らかの圧力がかかったわけではない。イギリス歳入局に対して、追加ショットの税金を納めることについて、税務署は特に相談を受けていないのだ。スターバックスは、怒り狂ったイギリス消費者をなだめるためにこう

  • Forbes Japan Column

    月刊『Forbes 日版』 連載コラム『山形浩生が解く Smart Document』 (2000-2001) ぎょうせいが出していた、Forbes日版の連載。前任者が、ビジネスプロセスリエンジニアリングとか、その手のマネジメントジャーゴン入り論文解説みたいな英語教室をやっていたので、メールに特化して、やんわりとした断り方とか御礼の言い方とか、そういうのを解説してみました。みんな、英文のビジネスメールで、日のお手紙とかをそのまま翻訳して時候のあいさつとかを必至で訳したりしているのを多くみかけたもんで。 ちょうど仕事で、国交省の国際会議のカバン持ちをやっていたりして、この手の国際的な根回しやら交渉やらというのは日々やっていたので、例文はそんなに苦労しなかったように記憶している。なんでこんな仕事がきたんだっけな? 忘れてしまった。連載していたのは覚えていたけれど、こんな内容だったというの

  • CUT 1995.06 Book Review(「市場制民主主義――選挙権を売ろう!) - 山形浩生

    ねえ T.N. 君。今の民主主義なんて、くだらないと思いませんか。だれもちゃんと、民主主義のあるべき姿なんか考えてないと思う。カンボジアくんだりにでかけてって、原住民に形式的に選挙させて喜んでる連中なんて脳が腐ってると思う。小学校の学級会の水準から一歩も進んでないと思う。だって一人一票とかいうけれど、あのバカの一票と、このおれの一票が同じ価値なわきゃないんだから。そう思ったことのない人間は、そもそも物を考えたことのないバカか、でなきゃよほどの聖人だ。選挙をタレント人気投票と勘違いして、今の某知事みたいな連中を選んじゃうやつらに選挙権をくれてやっていいの? 普通選挙制はまちがってると思う。安易すぎると思う。車の運転にすら、資格試験があるんだよ。なんで二十歳になったくらいで、ホイホイ気軽に選挙権をやっちゃうわけ? ねえ T.N. 君。そう思いませんか。きみの願った普通選挙制のなれの涯てを見て、

  • Yamagata Column in Voice 2012/5

    要約: ジャスミン動乱から一年後、矢崎総業がチュニジアから撤退。雇用も経済もそんなぜいたくを言える状況ではないはずだが? 一年経ってそろそろおちついてその後を考えるようになったかと思ったがそうでもないようだ。結局、あの動乱は地域のためになったといえるんだろうか。 いささか旧聞になるけれど、この一月に矢崎総業がチュニジアの工場を閉めるたというニュースが入ってきた。 日ではその後、地震が起こったためにそれ以前の話はずいぶん昔のように思えるけれど、世界がジャスミン動乱に揺れたのはわずか一年ちょっと前、ごく最近のことだ。 でもその後、どの国も落ち着かない。エジプトは選挙は行われたものの、軍の動きもよくわからないし、どういうまとまり方をするのか未だに不明だ。シリアは流血沙汰が続いていて、じわじわと事態が悪化しつつあり、このまま内戦状態で膠着しそうな感じだ。リビアはカダフィが更迭・殺害されてから、何

  • Yamagata Column in Voice 2012/3

    要約: 制度を新しく作るのはむずかしい。が、新しい都市を造って一から制度作りをする試みを、経済学者のポール・ローマーが始めており、ホンジュラスで実現するかもしれない。橋下の試みも、制度を作り直そうとするものではあるんだが。 いまの日、いや世界に漂う閉塞感は、いまの制度がもたらすものでもある。すでに各種の仕組みは、既得権益集団に有利にゆがめられていて、それを改定する民主的なはずのプロセスも、ほとんどがそうした既得権益間の利益調整でしかないように見える。 オバマ大統領人気の隆盛と失墜は、まともな理念に基づいてそれを打破できるという期待と失望によるものだし、民主党政権も(期待したやつが愚かとはいえ)、そういう側面を持っていた。そしてもちろん、大阪の橋下も同じ期待で人気がある(一方で既得権者には嫌われている)。でもその結果についてはみんな半信半疑だろう。道州制ですべてを一から作り直す――主張はよ

  • クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』サポートページ

    クルーグマン『さっさと不況を終わらせろ』サポートページ 山形浩生 目次 関連資料 関連論文 正誤表 1. 関連サイト クルーグマンのNew York Timesブログ/コラム クルーグマンが連載しているニューヨークタイムズのブログやコラム。時事ネタ、各種の論争などが展開されており、書に関連する内容もきわめて多い。なお、重要なものについては有志が日語への試訳を行っていることがある。「道草 クルーグマン」で検索すると吉かもしれない。 クルーグマンの(古い)ウェブページ クルーグマンの昔の各種記事や論文へのリンク。ただし彼が MIT 時代に作ったもので、最近のものはない。なお、各種論文が現職のプリンストン大学のサイトにはあがっているが、まとめて閲覧できるようなトップページは見あたらない。 クルーグマンのファンページ 各種論文やエッセイ、インタビューなどへのリンク満載だが、クルーグマンがノーベ

  • ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章について

    ダイアモンド『銃、病原菌、鉄』2005年版追加章について 山形浩生 草思社の倒産で一時はどうなるかと思った『銃、病原菌、鉄』邦訳だが、無事に復活して文庫にもなって、まずはめでたい。おもしろいだし非常に含蓄があるので、これが入手困難になるのは大変痛かったもので。 しかし、アマゾンのレビューを見ていると、変な記述に出くわした。これだ: 翻訳されていない一節 (Tsiroeht Emag) 訳されなかった章がある? そんなバカな。草思社が(愚かにも)参考文献をカットしたのに怒ってみんなで訳したときに、原書はちゃんと見ているがそんな章はなかったぞ。(なお、草思社も知恵をつけて、その後参考文献をウェブで公開したうえ、文庫版にはちゃんと載せているのでご安心を。)それも日人に関する章で人間宣言がどうしたこうした? そんな最近の話を扱っているわけもないと思って、コメントにもそう書いたんだが…… 調べて

  • 良薬口に苦し、ってほんと?

    良薬口に苦し、ってほんと? ――不景気対抗策の過去、現在 (text onlyで読みたい人は こちら へ) 昔むかしのこと、人口の密集したとある島国がありました。自然資源のとぼしさにもめげず、はたらきもので利口な彼らは、世界の主な工業力のひとつにまでのし上がりました。けれど、やがて魔法の力の効きめが切れるときがやってきました。加熱した好景気が、10年近くも長引く不景気にとってかわられたのです。かつては経済職人とまでよばれた国でしたが、消えた栄光のシンボルになってしまいましたとさ。 国の病気の原因とその対策について、論争がいつも大荒れになるのはしかたないよね。経済の後退が深い構造要因のせいだと見る人は多くて、たとえば変わりゆく世界に対応できない制度とか、新たなテクノロジーを使う機会を逃してるんだとか、全体的に硬直していて柔軟性が足りないんだとかいわれたりする。 でもちがう意見の人もいて、彼ら

  • diatxt. 連載: アート・カウンターパンチ

     diatxt. 連載: アート・カウンターパンチ diatxt.ってのは、京都芸術センター(いまはじめてウェブページを見たが、おおお、かっこいいではないか! 最近の美術館とかの、バカの一つ覚えみたいなガラス張り建築でないだけでポイント高いね)が出してる季刊の芸術雑誌みたいなもので、8号まで出たところでなんかてこ入れをってことで紙面刷新して外に出して 2 年は好き放題やっていいという話になったんだって。それでぼくのところに連載しろという依頼がきた。なんか知り合いから話がまわってきたような記憶もあるけど、忘れた。 一応、芸術雑誌なんでアートとか芸術とかその手の話にからんだようなことであればなんでも書いていい、ということだったので引き受けた。マイナーな雑誌だから、だれの目にも入るまいっつーのもあってお気楽だったし。ちょうどいくつか、アートの役割とかいったことで考えてたこともあったし。1回40

  • P. Krugman "Japan's Trap" Japanese:日本がはまった罠 (クルーグマンのホームページで 1998.05 初公開) ポール・クルーグマン 山形浩生訳

    がはまった罠 (Japan's Trap: クルーグマンのホームページで 1998.05 初公開) ポール・クルーグマン 山形浩生訳 日の経済的な重病は、だれよりもなによりも日自身にとっての大問題だ。でも、ほかの人たちにも、これは問題となる。機関車役を死ぬほど求めてる苦境のアジア経済にとっても、日の貿易黒字のおかげで仕事がやりにくくなってる西側の自由貿易支持者にとっても。そして最後に(いちばんどうでもいいけど、でも無視できる存在じゃあない)経済学者たちにとっても、日は問題なんだ。なぜなら、こんなことは起きないはずなんだもの。 ときどき象牙の塔から出てくるマクロ経済学者の多くと同じく、ぼくも実際のビジネスサイクルはリアル・ビジネスサイクルじゃないと思ってるし、一部の(いやほとんどの)不況は、全体としての総需要が落ち込むせいで起こるんだと思ってる。ぼくをふくめほとんどの学者は、こう

  • Yamagata Column in Voice 2009/01

  • 世界最小のマクロ経済モデル

    THE WORLD'S SMALLEST MACROECONOMIC MODEL (1998) ポール・クルーグマン   山形浩生訳 要約:世界最小の経済学モデル紹介。財とお金しか出てこないし、期待も何もない。でも、人々が持ちたいお金の量が実際のお金の量を上回ると失業が発生することがわかるし、乗数効果も出てくる。ラフなモデルだけれど、マクロ経済学(つまりケインズの主張)の質はあらわしているんだよ。 このモデルは一九七五年にロバート・ホールから教わった。ばかげてつまらないものに見えるかもしれない。でも当時のぼくには、それがマクロ経済の「需要サイド」で起こっていることの質を捕らえ、世間一般と、言いたくはないがかなりの博士号を持つ経済学者たちの両方が混乱しがちな点をはっきりさせるのに役立つと思った。いまのぼくもそう思う。これはまた、ぼくが大好きで何度も活用してきた経済たとえ話、赤ん坊子守協同

  • 古いどマクロに首ったけ

    THERE'S SOMETHING ABOUT MACRO (1998) ポール・クルーグマン   山形浩生訳 要約: MIT には古くさい IS-LM を教えられるマクロ経済学者がいなくなってしまった。学者たちがそういうモデルをバカにして無視してきたからだ。でも現場では IS-LM がばりばり使われている。それは IS-LM みたいなモデルが、いろいろ批判はあるにしても、具体的な問題を考えるための実に簡潔で有用なツールを提供してくれるからだ。 年の瀬を迎えてぼくの頭をよぎるのは……講義の下準備だ。講義開始は二月だけれど、でも教科書も注文しなきゃだし、教材の版権をクリアしてコピーセンターに送らなきゃだし、講義のアンチョコも用意しないと。 この春学期、ぼくは新しい仕事をもらった。大学院生に、マクロ経済学初級を教えるのだ。通常、この講義はマクロ経済学を専門とする人物が教える。そして一般向けのぼ

  • 山形浩生「都知事選挙とツイッター井戸の蛙たち」 - アルコムワールド コラム 2011/05

    『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 63 回 都知事選挙とツイッター井戸の蛙たち 月刊『アルコムワールド』 2011/06号 要約:都知事選、ツイッターでみんな「原発推進の石原をツイッターの力で落とそう」とか言っていたがふたをあけたら圧勝。ツイッターがいかに狭い井戸で、その中のRTがいかに偏狭なマイノリティでしかないかが如実に判明。 これを書いているしばらく前に、東京では都知事選挙が行われた。むろんご承知のとおり、現職の石原都知事が再選を果たした。それもかなりの差をつけての当選で、NHKの選挙速報は開票が始まる前にすでに当確報道をしていたほど。正直いって、選挙というものの趣旨からして、当確速報なんて少なくともある程開票がすすんでからやってほしいとは思う。そうでないと、選挙がホントに形式だけのものになってしまうでしょう。 が、それはさておき、おもしろかったのはその都知事選前後のネット、

  • 山形浩生「フォロワー数で変わるツイッターのメディア性」 - アルコムワールド コラム 2011/05

    『山形浩生の:世界を見るレッスン』 連載 64 回 フォロワー数で変わるツイッターのメディア性 月刊『アルコムワールド』 2011/07号 要約:ツイッターの持つメディアの特性は、フォロワー数によってだんだん変わる。それに自覚的でない人の多くは、自分のおかれた環境にまったく鈍感なために愚かしい醜態をさらすことが多い。が、求める水準のメディアにとどめるための作業もむずかしい。 ある人の書くものでも、あるいはツイッターのツイートでもいいけれど、長いこと見ていると、ときどきその人がだんだん——または突然——おかしくなって、ぎょっとすることがある。今回の震災と原発事故では特に、ツイッターでそんな光景が見られた。それまで普通あるいは高めの見識を持つと思っていた人が、いきなりわけのわからないことを言い、デマに踊らされ、それをたしなめられると逆ギレして相手を罵り、過去の発言との矛盾を指摘されると変な言い

  • Irresponsible Rumors 2011

    最近の噂 風の噂ではございますが…… なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。 2011/10 ラオスにきたら、いつも使っている携帯電話がつながったりつながらなかったり。SMSも送れなかったりする。するとカウンターパートから連絡がきて、今使っている携帯電話(TIGO 改め Beeline) を換えろという。TIGO から他のキャリアの電話につながらなくなっているから、といって。なんじゃそりゃ。 TIGO の機械の故障らしい、と言われたんだが、調べてみたら、なんと TIGO が(おそらく Beeline に買収/改名する過程で)協定破りのプロモーションをやって、それに対して他の携帯会社が制裁措置として、TIGO/Beeline への回線接続を切ったんだって。ひでえ。協定破りって、少しお得なプラン

  • Yamagata Dojo in CYZO 2004/04

    こないだ、ぼくの訳書のジョンソン『創発』というが出た。従来型の、トップダウンによる秩序形成に対して、ボトムアップの自律的な秩序形成があちこちで見られる。都市でも、脳でもそれが見られて、そしていまやそれがゲームへの応用を通じて応用段階に入り、さらにはグローバル問題も解決するかもしれない、という脳天気なだ。 いまの嫌みな書き方からもわかる通り、ぼくはこの議論にちっとも感心していないのだ。 基的な問題は、著者が創発現象の対極にあると見ている、トップダウン型組織というものを完全に誤解しているところにあるのだ。 著者の主張の一つをまとめると「アリの世界はトップダウンだと思われているけど、実は女王アリは個別のアリの動きは知らないからこれは創発型システムで、スターリニズム型全体主義とはまったくちがう」ということだ。。でもねえ。スターリンだって末端の役人が何をするかなんていちいち知らなかったのよ。あ

  • 毎日新聞ネット時評

    毎日新聞ネット時評 2009-2011 山形浩生 2009 年 5 月から、毎日新聞に毎月ネット時評が掲載されるようになった。山形、稲葉振一郎、宇野ジョーカンが回り持ちで書くことになっている。正直言って、この三人でいいのかという気がしなくもないが。 なお、文中でぼくがいきなり天気の話をしているところは、検閲を受けた部分。 当初は、ぼくや稲葉大人がよくやっていた、ネット掲示板やブログにおける論争を採り上げてあれこれ論じるようなことを意図していた模様。でもこの連載開始の半年後くらいから、ブログコメントでの論争はだんだん下火になり、ウィキリークスやツイッター,フェイスブックといった場がネット上の活発な議論の場になっていった。その意味で、少し欄としてはあてがはずれたんじゃないかな。 ただ連載の三人の中で、ぼくはタイミング的に運がよかった。特に後記は尖閣ビデオやウィキリークス、北アフリカ動乱に震災と

  • ツイッターのhga02xxって、あれホントにあの日垣隆なのか??!!- Irresponsible Rumors 2011

    最近の噂 風の噂ではございますが…… なお、リンクする場合には各コメントの日付のあとにある「id」をクリックすると、そのコメントのユニーク id が url 欄に表示されるぞ。 2011/6 なぜかスタバの全店で、シナモンが引き上げられている。どうしてだろう? 毒入りシナモンでも出回ってるのか?(2011/6/22, id) ときどきツイッターって挙動がよくわからなくて困惑することがある。実は『ぼくらはそれでも肉をう』についてこんなご指摘 (画面) をいただいた。まちがっている箇所をうかがったところ、ツイート削除のうえご人のブログでご回答をいただき、二つほど例をもらった……はずが、ツイートはなぜか復活 (よいことです)、コメントも消えている (キャッシュには残っているので、夢ではないはず。これはこの人が意図的に消したんだろう)。ツイッターって消したコメント復活できるの?(付記:削除して

  • Against Intellectual Monopoly Draft

    Against Intellectual Monopoly *1 *2 and 2010 10 12 *1 c ⃝2008 Michele Boldrin and David K. Levine *2 c ⃝2010 i iii iv v G. http://www.againstmonopoly.org V.V. E vi IER/ LSE, vii v 1 1 2 13 2.1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 13 2.2 . . . . . . . . . . . . . . . 19 3 35 3.1 . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . . 36 3.2 . . . . . . . . . . . . .