(英エコノミスト誌 2010年10月2日号) 中国は特許出願件数で日本を追い抜こうとしている。 今からわずか5年前、典型的なアップルの「iPod(アイポッド)」に内蔵されている高価な部品の大半は日本製だった。今、iPadを分解すると、ほぼすべての重要部品は韓国製か台湾製だ。こんなにも短期間に、アジアのハイテク産業における日本の優位性は近隣諸国に侵食されてきた。 2006年から2009年にかけて、米国、欧州、韓国での特許出願数は概して安定していた。だが、日本での出願件数は減る一方、中国が出願件数を大きく伸ばした(図参照)。 このまま行けば、中国の特許出願件数は今年初めて日本を上回る可能性があり、中国は米国を射程圏内に収めることになる。 これは驚くべき逆転劇だ。何しろ、2000年時点では、日本の特許出願数は中国の4倍にも上っていたからだ。 特許というものは、大雑把ではあるが、イノベーション(技