琵琶湖最北部の湖岸に形づくられた滋賀県長浜市・菅浦地区の風景が、「菅浦の湖岸集落景観」として国重要文化的景観に選定されることになった。中世以来の強固な共同体によって維持されてきた歴史的景観-として評価され、文化審議会が選定するよう答申。正式に決まれば、県内で5件目の選定となる。 選定されるのは、長浜市西浅井町菅浦の1568ヘクタール(湖部分を含む)。三方を険しい山に囲まれ、残る一方は琵琶湖に面している。縄文時代にはすでに人が住んでいたとみられ、現在は約60世帯が暮らす。 14世紀半ばには、集落の自治を執り行う共同体「惣」が形成されていたことが古文書からうかがえ、この組織は、形を変えながら現在でも継承されている。 集落には、台風などによる高波の被害を防ぐため、湖岸や屋敷の前面などに石垣が張り巡らされている。地区内は平地が少ないため、湖岸から屋敷までのわずかな平地空間は「ハマ」と呼ばれ、生活や