◇金融センターとしての香港は今後どうなるのか? 国家安全維持法第44条では、今後は香港の法廷では、「中国政府の意にかなった判決」を強要されることが謳われています。また、第44条の末尾には、意にそぐわない裁判官をクビにする条項まで付加されているのです。 第44条の規定は「司法の独立」の問題を超えて、香港経済に影響してくる可能性があります。 これまでは「司法の独立」が保証されていたからこそ、世界の投資家は安心して、香港に投資していました。 「司法の独立」を喪失してしまったことで、香港の国際金融センターとしての魅力は、無くなってしまったとも言えます。自由な金融取引ができなければ、金融センターとしての香港の未来は、もはや短期的には無いも同然なのです。 実際、2020年の世界金融センターランキングでは、昨年まで3位だった香港が3つも順位を落とし6位となりました。 香港金融市場では今、人民元決済や中国