人口8600万人のベトナム市場に、小売業が熱視線を送る。ただし、外資の小売業には政府の規制があり、進出は難しい。行政の壁を打ち破るには、日本市場とは異なる奇策が必要だ。 ベトナム小売市場への進出を目指す日系企業の動きが活発になっている。製造業の拠点としても注目を集めるベトナムだが、経済の発展とともに消費者市場としても立ち上がり始めた。 「8600万人の人口のうち半数以上が30歳未満のベトナムは、小売業のフロンティアとなっている」と語るのは、日本貿易振興機構(ジェトロ)ハノイ事務所の小林恵介氏だ。「製造業からの問い合わせが大半だったが、最近は半分が大手量販店やファストフードなどの小売りに変化している」(小林氏)。 基準が曖昧な営業許可の手続き ベトナムは2007年1月から世界貿易機関(WTO)の正式加盟国となり、市場を開放した。しかし、都市部を歩くとコンビニエンスストアやファストフード店をほ