根付け専門の美術館「京都 清宗根付館」(京都市中京区壬生賀陽御所町、TEL 075-802-7000)で7月1日、夏の特別公開「宍戸濤雲」展が始まる。 根付けは、ひもが付いた印籠や巾着を帯からぶら下げる際に使われた留め具。主に象牙やツゲ、鹿の角などが使われている。ぜいたくを禁じる制度が何度も出された江戸時代に、小さくて目立たない根付に精巧な細工をこらすことで「粋」を楽しんだ。京都の正直(まさなお)、友忠(ともただ)ら後に海外から「京都スクール」と呼ばれる一派の作品も人気を博した。海外にも輸出され、現在でも熱心なコレクターがいるほか、美術館でもコレクションを見ることができる。 現代根付を中心に約400点を展示する同館。今回は、千葉で活動する宍戸濤雲(とううん)さんの作品を特集展示も行う。京都にまつわる作品も多く、祇園祭で巡行する鉾の鉾頭(鉾の先に付いている飾り)をモチーフにしたシリーズも展開