事故発生から11日で2年になる東京電力福島第1原発。現場には今も放射線量が高い場所があり、配管からの汚染水漏れや作業員の負傷が後を絶たない。昨年10月まで同原発で働いていた東京都内の男性が取材に応じ、作業員が置かれている苛酷な状況を明かした。 男性は30代前半で、昨年1月から1次下請け会社の社員として、放射線管理業務に従事していた。作業拠点の免震重要棟脇のプレハブで、出入りする作業員のかっぱを脱がせたり、長靴の放射線量を測ったりしていた。 現場では元請け会社の社員と同じ班で働いた。自分の雇用主ではない元請け会社から直接指示を受けると違法だが、こうした「偽装請負」が横行していたという。男性は「逆らうと次の契約に響くので黙って働くしかない。元請け社員は立場が強く、王様みたいだった」と振り返る。 福島県いわき市にある宿舎との往復を含め、1日12〜13時間拘束され、日給は1万円程度。残業代な