【バンコク=深沢淳一】ミャンマー情報省は20日、国内の民間メディアが発行する新聞や雑誌に約50年にわたって実施してきた事前検閲制度を、同日付で廃止したと正式に発表した。 ミャンマーでは、独裁体制を敷いたネ・ウィン政権時代に検閲制度が導入され、軍事政権時代も厳しい言論弾圧が続いた。これに対し、政治・経済改革を進めるテイン・セイン政権は昨年、スポーツや芸能、娯楽、健康、科学などの専門紙や雑誌への検閲を廃止した。 今回、最後まで残っていたニュースや政治、宗教に関する検閲も廃止に踏み切ったことで検閲制度は完全に撤廃された。情報省で検閲を担当してきた新聞監視登録局のティン・スウェ副局長は読売新聞に対し、「局内の検閲機能は廃止された」と明言した。ヤンゴンの地元紙編集者は「今後はメディアの報道姿勢と記者の責任が強く問われる」と語った。