ニュージーランドの先住民族マオリの女性が北海道恵庭市の温泉施設を訪れた際、顔の入れ墨を理由に入浴を断られていたことが12日、分かった。女性側は「尊厳を傷つける人種差別だ」と批判する一方、施設側は一律の対応であることを強調している。 ◇施設側「一律の対応」 女性はエラナ・ブレワートンさん(60)。マオリの言語指導者で、唇とあごに家系や社会的地位を示す「モコ」と呼ばれる入れ墨がある。アイヌ語復興をめざす講習会の講師として来日。8日、札幌市内で開かれた行事に参加した後、関係者約10人とともに入浴と食事のため施設を訪れた。 ブレワートンさん側は「反社会的な入れ墨とは異なる伝統文化であり、差別ではないか」と抗議したが、施設側は「入れ墨に威圧感や恐怖感を覚える人がいる。入れ墨が見えれば一律で断っている」と説明した。 ブレワートンさん側の関係者は「先住民族の証しや誇りが認められないのは残念」。施