猪瀬都知事は大丈夫なのか、ちょっと危ないんじゃ――そんな声があちこちで上がっている。政治生命が、ではない。体調の話だ。 耳たぶから大粒の汗をポタポタ落とし、力ない声であいまいな答弁に終始する。かつての「ゴーマン」ぶりからは考えられない弱々しい姿に、「追い詰めすぎなのではないか」との声さえ出始めた。 座る席わからずマゴマゴ、手も震え… 2013年12月9日、議場に入った当初から、猪瀬都知事の様子はどこかおかしかった。 ダークスーツに、普段はかけない眼鏡という出で立ちで都議会総務委員会に現れた都知事だったが、どこに座っていいのかわからない様子でまごつき、職員に引っ張られるようにしてようやく着席する。黄色のファイルを携える手は、かすかに震えているようにも見える。 「おかしいだろっていうんだよ、そんなの。そんなの人間として、おかしいって言ってるんだよ!」 「ふざけるな――と、テレビの前で都民国民は