男子100メートル予選で日本歴代2位の10秒01をマークした桐生祥秀。伊東氏や朝原氏も期待の逸材だ 【写真は共同】 これは日本の陸上男子短距離界に9秒台時代の幕が開けるブレークスルーの兆しなのか。日本代表の伊東浩司男子短距離部長が富士通時代に10秒00の日本記録を出してから15年間越えられずにいた10秒の壁が一気に瓦解(がかい)するのでは――。 そんな予感さえ漂う衝撃が、4月29日に広島市で行われた織田記念大会(エディオンスタジアム広島)の男子100メートル予選で走った。洛南高3年生である17歳の桐生祥秀がたたき出したのは日本記録にわずか100分の1秒差と迫る日本歴代2位の10秒01。これはジュニア(20歳未満)世界タイ記録でもあり、歴代で世界一速い20歳未満の男に並んだわけだ。2008年北京五輪の男子400メートルリレー銅メダリストの朝原宣治氏は、そんな桐生のスケール感に“超スーパー高校