タグ

ブックマーク / blog.tatsuru.com (41)

  • 道徳について - 内田樹の研究室

    去年、ある出版社から頼まれて中高生向けの「道徳の」というものを書きおろした。中高の図書館には入っているはずだけれど、一般読者には手に取る機会がない。 今日これから小学校の先生と「道徳教育」について懇談する予定なので、自分の道徳教育についての考え方を思い出そうと思ってHDの筐底を探したら、出て来た。 ご参考までに。 みなさん、こんにちは。内田樹です。 道徳のを書くように頼まれました。 何を書いたらよいのかわからないままに、「うん、いいよ」と引き受けてしまいました。ふつうは何を書くか決まっているから引き受けるんでしょうけれど、このときは何を書けばいいかわからないのに、引き受けてしまいました。書きながら考えてみようと思ったからです。 このはそういうです。道徳について書かなければいけないのですけれど、何を書いていいかよくわからない。だから、「道徳について何を書いていいかわからないのはなぜか

    otokinoki
    otokinoki 2019/09/04
    アンサング・ヒーロー/功績が歌に歌われて、称えられることのない英雄“道徳的であるというのは「誰かが引き受けなければならない仕事があるとしたら、それは私の仕事だ」という考え方”
  • 並行世界について - 内田樹の研究室

    夜間飛行から今度出る平川君との対談「話半分」の単行のゲラを読んでいたら、並行世界について熱く語っていた箇所があった。 面白かったので、私の発言部分を再録。 変な話だけど、現代日というのは、なんだか「あるべき世界」じゃないんじゃないかって気がするんだよね。パラレルワールドの「そっちに行っちゃいけない方」に行った結果が現代日で、「ほんとうの日」は今あるような社会とは違うものであるような気がするんだ。歴史的な惨敗の結果できた今のこの日の方が仮想現実で、「あれほどひどく戦争に敗けなかった日」の方が現実であるような気がするんだ。 例えば、1942年のミッドウェー海戦で大負けしたところで、帝国海軍は主力艦を失っていて、もう戦争に勝つ可能性はなくなっていた。だから、あそこで講和条約締結に持ち込めば日はそれほどひどいことにはならなかったはずなんだ。土空襲で何十万人もの一般市民が被災するこ

    otokinoki
    otokinoki 2019/07/16
    村上春樹の世界が、マルチバースを描いているという指摘と日本の並行世界について。この指摘は面白い。
  • 『困難な成熟』文庫版のためのあとがき - 内田樹の研究室

    困難な成熟 文庫化あとがき みなさん、こんにちは。内田樹です。 「困難な成熟」が文庫化されることになりました。 夜間飛行というほんとうに小さな出版社がとうとう文庫まで出すようになったことに、まずお祝いを申し上げたいと思います。できるだけ多くの人に読んでほしいと思っていつも書いていますので、文庫化されて、多くの人が廉価で読めるようになることは僕にとってもたいへんありがたいことです。 このは、「成熟」とか「自己陶冶」とか「大人になる」ということがもはや人々にとってそれほど喫緊の課題ではなくなった時代の風潮に対する僕からの提言です。 もちろん「大人のナントカ」とか「いぶし銀のなんちゃら」とかいうようなコピーを掲げて、「バーでワインを頼む時の心得」とか「こういうスーツではタイはなんとかでなければならぬ」とかいうようなことを書いている人は今も掃いて捨てるほどいますけれど、僕が論じようとしている「

    otokinoki
    otokinoki 2017/11/29
    ”後に回顧すると、自分が設定した目標がいかに幼く、お門違いなものか思い知って赤面する・・・というのが「成熟した」ということ”
  • 従属と謝罪について - 内田樹の研究室

    朝日新聞に「安倍首相の靖国参拝」についてコメントを求められたので、すこし長めのものを書いた。もう掲載されたので、ブログでも公開することにする。 東京裁判は戦後日に対して二つの義務を課した。 一つは、敗戦国として戦勝国アメリカに対して半永久的に「従属」の構えをとること。 一つは侵略国としてアジアの隣国(とりわけ中国韓国)に対して半永久的に「謝罪」の姿勢を示し続けること。 従属と謝罪、それが、東京裁判が戦後日人に課した国民的義務であった。 けれども、日人はそれを「あまりに過大な責務」だと感じた。二つのうちせめて一つに絞って欲しいと(口には出さなかったが)願ってきた。 ある人々は「もし、日人に対米従属を求めるなら、日がアジア隣国に対して倫理的疚しさを持ち続ける義務からは解放して欲しい」と思った。別の人々は「もし、東アジアの隣国との信頼と友好を深めることを日に求めるなら、外交と国防に

    otokinoki
    otokinoki 2014/01/20
    内田樹は個人的にかなり長期にわたって好きだけれども、最近、効きが薄れた観がややあって、実際に最前線では無くなってきたと思う。でもこのブクマを見ると久方ぶりにかなり効くエントリを出してきた感じ。
  • 朴聖焌先生のこと - 内田樹の研究室

    朴聖焌先生と『日辺境論』の韓国語訳者である金京媛先生がギルダム書院の日語クラスのみなさん13人と一緒に昨日凱風館を訪れてくれたので、日韓合同ゼミが開かれた。 安藤忠雄の「光の教会」と直島を訪ねるツァーの途上である。 この日語クラスは私が8月にソウルを訪れてギルダム書院で講演をした後に始まって、最初のテクストが『日辺境論』で、それを読み終えての訪日である。 日語クラスの次のテクストは光嶋くんの『みんなの家』だそうである。 テクストを読んだら、書いた人間に会いに行く。 「みんなの家」凱風館を見学して、建築家自身の話を聞いてから、それが建つまでの経緯を書いたを読む。 朴先生ならではの「現実主義」の領が伺い知れる。 この合同ゼミはついこの間ソウルに別件で訪れた光嶋くんがギルダム書院に行って、朴先生と意気投合して、決めてきた話である。 光嶋くんも朴先生も話が早い。 朴聖焌先生については

    otokinoki
    otokinoki 2012/12/26
    内田樹のレヴィナス論は一度きちんと読まんと/『自分たちの住む世界を人間的なものにするのは人間の仕事である』←こう考えるキリスト者は、神不要論だと思うのだけど…まだ理解できていないのかもしれん。
  • 分配ゲームの先行きについて - 内田樹の研究室

    自民党の総裁選が迫り、維新の会の国政進出のための「品定め」が始まったために、政界の「右顧左眄」劇が進行している。 プレイヤーたちの全員が「バスに乗り遅れない」タイミング、「ババをつかまされない」タイミングをみはからって、他のプレイヤーの出方をきょろきょろ見守っている。 私たちは今「他人を出し抜くゲーム」に立ち会っている。 もちろんキープレイヤーは大阪維新の会である。 「みんなの党」は当初維新の会との新自由主義的な政策的な近さを強調し、国政での連携を期待していた。 だが、ご存じの通り、政策が近すぎたせいで、党員たちが「どうせ選挙に出るなら、当選できそうな政党から」と「合理的」に判断したせいで、解党的な危機に直面している。 渡辺喜美代表は昨日「維新も最近は自民党にすり寄っている感じがある。まさか『維新八策』まで捨てるわけではないだろう」と皮肉った。 上野宏史、小熊慎司両参院議員の維新参加には「

    otokinoki
    otokinoki 2012/09/03
    『人間は自分が想像していた相手と自分の「力関係」とあまりにずれた利益配分比率を示されると、「自分の利益を犠牲にしてまで、相手に社会的制裁を与える」ことを願う動物なのである』
  • 『先生はえらい』を韓国の読者がレビューしてくれました。 - 内田樹の研究室

    韓国で先日『先生はえらい』が刊行された。 そのレビューが出たのを訳者の朴東燮先生が訳して送ってくださった。 隣国の(それも外交問題でもめている隣国の)読者から、日人の書いた教育論にこういう手触りの温かいコメントをもらうと、ほっとする。 国境のこちらもにもあちらにも、「気持ちの通じる人」はちゃんといる。 以下がレビュー。 すがすがしかった。 面白くてからからとうちわらうような愉快さではなく、久しぶりにきれいな空気をたっぷり吸い込んだような、 心が清くなるような気がした。 それで、なんだか顔に喜びの微笑みが浮かぶようなそういうすがすがしさをを読んでいるうちに感じた。 あ!こんな考え方を持っている人がいるんだっていう感じ! 丁寧な言葉づかいからは保守的な大人のもどかしくて一方的なロジックではなく、若い世代のための心をこめた愛情と関心が感じられた。 タイトルを見ている限り、日韓両方の出版社も「

    otokinoki
    otokinoki 2012/08/23
  • 「学力と階層」解説 - 内田樹の研究室

    苅谷剛彦さんの『学力と階層』が朝日文庫から文庫化されて出た。その解説を書いた。 苅谷さんの「意欲格差」や「学習資」というアイディアに私はつよい影響を受けており、『下流志向』や『街場の教育論』で展開した考想は苅谷さんの『階層化日教育危機』がなければ書かれなかったはずのものである。 その感謝をこめて書いた解説である。とりあえずこれを読んでから、書店に走ってください。 最初に読んだ苅谷剛彦さんのは『階層化日教育危機』で、その頁を開いたのは、講演のために東京から千葉に向かう総武線の車内でのことだった。手に赤鉛筆を持って、傍線を引きながら読み進んだ。しだいに赤線が増えてきて、ついに一頁全体が真っ赤になったころに、降りる駅についた。を閉じるときに、文字通り「後ろ髪を引かれる」思いがしたことを、駅前の寒空とともに身体がまだ記憶している。 日教育危機の実相について、私の現場の実感とこれほ

    otokinoki
    otokinoki 2012/08/08
  • いじめについての続き - 内田樹の研究室

    ある媒体で、「いじめ」についてコメントした。それは昨日のブログに書いた通り。 それについて追加質問が来たので、これも追記として書き留めておく。 Q: 学校という場は社会の雰囲気とは切り離されたものではなく、一定程度の影響を受けていると思います。現実に、リストラが激しくなる一方ですし、1分1秒ごとに自己成長を求められる息苦しい世界になりました。この状況にあって、学校だけを過度な競争社会から切り離してある種のユートピアにすることは可能なのか、それとも競争を是とする今の社会を根底から変えない限り、社会に蔓延するいじめ体質はなくならないのか。この点はどう思われるでしょうか。 A: 学校は来は苛烈な実社会から「子供を守る」ことを務とするものです。それは学校というものの歴史的発生から明らかだと思います。 ヨーロッパで近代の学校教育を担った主体のひとつは、イエズス会ですけれど、それは「親の暴力から子

    otokinoki
    otokinoki 2012/07/13
  • 韓国の教育事情はどうなっているんだろう - 内田樹の研究室

    韓国からお客さまが来た。 Silla University のパク教授と、Danjae school のパク先生。そのご令息で一橋大学留学中のパク君と、そのお友だちの生巣さん(彼女は日人)。 パク教授は『先生はえらい』の翻訳者である。 パク先生は『下流志向』を読んで、膝を叩いて(ほんとうに叩いたらしい)、叩きすぎて膝が痛くなったので、そのあと韓国語版のウチダを順番に読書会で取り上げて、教員仲間でお読み頂いているそうである。 『先生はえらい』も、この方々のおかげで出ることになった。 このあと『街場の教育論』、『街場のメディア論』を続けて翻訳出版したいという。 隣国で自分のが読まれることはたいへんにうれしいけれど、それは翻って言えば、日と同じ問題を韓国社会も抱え込んでいるということである。 韓国はご存じの通り、かつての日に似た受験競争・学歴社会である。 高学歴を手に入れることが死活的

    otokinoki
    otokinoki 2012/06/26
  • 「先生はえらい」韓国語版のための序文 - 内田樹の研究室

    『先生はえらい』韓国語版序文を書きました。 韓国語には、これまで『下流志向』、『寝ながら学べる構造主義』、『若者よマルクスを読もう』(石川康宏先生との共著)、『私家版・ユダヤ文化論』、『日辺境論』が出ています。 『先生はえらい』は来月くらいに出るそうです。 韓国では教育関係者にけっこうウチダの読者がいるようですが、その人たちから「先生はえらい」というタイトルのをぜひ訳してくださいというリクエストがあって、訳されることになったようです。 最初にこののタイトルを考えたときに、筑摩の吉崎さんと「日だけで教職員が80万人いますからねえ」「じゃあ、50万部は堅いですなあ」というような気楽な会話をしたことを思い出しました。 そうか、世界中にいるんじゃないですか、先生は。 というわけで、韓国の先生がたどうぞよろしく。 では序文です。 韓国のみなさん、こんにちは。内田樹です。 『先生はえらい』お

    otokinoki
    otokinoki 2012/06/22
  • さよなら民主党 - 内田樹の研究室

    「プレス民主」の取材で、有田芳生さんを聴き手に民主党政治の総括をした。 いくつか話したけれど、二点だけここに録しておく。 一つは「政治主導」というスローガンについて。一つは「民主党分裂」について。 民主党は2009年の総選挙で「政治主導」「官僚政治打破」を唱えて、圧倒的な有権者の支持を集めた。 けれども、それは「霞が関の官僚は邪悪で、利己的である」ということについて国民的な規模の疑念が形成されたということであって、必ずしも、官僚の上に立つことになった政治家たちの方が官僚たちよりも、善良であり、フェアであり、政策判断において適切であるという判断を国民が下したということではなかった。 「政治主導」というのは、要するに「政策の適否については、専門家に吟味させるよりも、直近の選挙で多数を得た政党に『好きなようにやらせる』方が、正しい政策を選択する可能性が高い」という「アイディア」のことである。 理

    otokinoki
    otokinoki 2012/06/14
  • 相互扶助と倫理について - 内田樹の研究室

    片山さつき議員による生活保護の不正受給に対する一連の批判的なコメントが気になる。 「相互扶助」ということの義に照らして、この発言のトーンにつよい違和感を持つのである。以下は朝日新聞の報道から。 人気お笑いコンビ「次長課長」の河準一さんの母親が生活保護を受けていたことが、週刊誌報道をきっかけに明らかになった。4月12日発売の週刊誌「女性セブン」が最初に匿名で報じた。「推定年収5千万円」の売れっ子芸人なのに母親への扶養義務を果たさないのは問題だ、と指摘した。翌週にはインターネットのサイトが河さんの名前を報じ、今月2日に自民党の片山さつき参院議員が「不正受給の疑いがある」と厚生労働省に調査を求めたことをブログで明かすと、他の週刊誌や夕刊紙が相次いで取り上げた。 報道を受け、所属事務所よしもとクリエイティブ・エージェンシーは16日、コメントを発表。河さんの母親が生活保護を受けていたことを認

    otokinoki
    otokinoki 2012/06/08
    『スターリン主義とはつまり、個人的な慈悲なしでも私たちはやっていけるという考え方のことなのです』/『倫理というのは「同胞とともにあるために理法」のことである』
  • 教育の奇跡 - 内田樹の研究室

    『みんなのねがい』(全障研出版部)という媒体に教育について寄稿した。 「いつもの話」ではあるが、教育についてビジネスマンのような言葉づかいがあまりにメディアに瀰漫してるので、「教育はビジネスの言葉づかいでは語れない」という原理的なことを確認するために書いた。 「教える」という営みの質についてもっとも洞察に富んだ言葉を残したのは、フランスの精神分析家ジャック・ラカンである。ラカンは(やがてフランス中の知識人がエコール・ノルマルの講堂を埋め尽くすことになる)その伝説的なセミナールの最初の時間にこう述べた。 「教えるというのは非常に問題の多いことで、私は今教卓のこちら側に立っていますが、この場所に連れてこられると、すくなくとも見掛け上は、誰でも一応それなりの役割は果たせます。(・・・) 無知ゆえに不適格である教授はいたためしがありません。人は知っている者の立場に立たされている間はつねに十分に知

    otokinoki
    otokinoki 2012/03/15
    すごく納得できた/ラカン「人は知っている者の立場に立たされている間はつねに十分に知っているのです。誰かが教える者としての立場に立つ限り、その人が役に立たないということは決してありません」
  • 地方紙の存在意義について - 内田樹の研究室

    10月29日朝日新聞の朝刊オピニオン欄に、アメリカの地方新聞の消滅とその影響についての記事が出ていた。 たいへん興味深い内容だった。 アメリカでは経営不振から地方紙がつぎつぎと消滅している。 新聞広告収入はこの5年で半減、休刊は212紙にのぼる。記者も労働条件を切り下げられ、解雇され、20年前は全米で6万人いた新聞記者が現在は4万人。 新聞記者が減ったこと、地方紙がなくなったことで何が起きたか。 地方紙をもたないエリアでは、自分の住んでいる街のできごとについての報道がなくなった。「小さな街の役所や議会、学校や地裁に記者が取材に行かなくなった」 「取材空白域」が発生したのである。 カリフォルニアの小さな街ベルでは、地元紙が1998年に休刊になり、地元のできごとを報道するメディアがなくなった。 すると、市の行政官は500万円だった年間給与を十数年かけて段階的に12倍の6400万円まで引き上げた

    otokinoki
    otokinoki 2011/10/30
  • 多数派であることのリスクについて - 内田樹の研究室

    神戸新聞に隔週で「随想」というコラムを書いている(これが二回目)。神戸新聞を読んでいない方のために再録しておく。 これは先週書いたもの。 橋下大阪府知事は、持論である大阪都構想に賛成の市職員を抜擢し、反対する市職員を降格するためのリスト作りを維新の会所属の大阪市議に指示した。 首長選の候補者が選挙に先立って公約への賛否を自治体職員の「踏み絵」にするというのは異例の事態である。 公務員が遵守義務を負うのは、憲法と法律・条例と就業規則だけのはずである。「大阪都」構想は、その当否は措いて、今のところ一政治家の私念に過ぎない。それへ賛否が公務員の将来的な考課事由になるということは法理的にありえまい。 まだ市長になっていない人物が市職員に要求している以上、これは彼に対する「私的な忠誠」と言う他ない。彼はそれを「処罰されるリスクへの恐怖」によって手に入れようとしている。 私はこの手法に反対である。 脅

    otokinoki
    otokinoki 2011/09/20
  • ネット上の発言の劣化について - 内田樹の研究室

    個人的印象だが、ネット上での匿名発言の劣化がさらに進んでいるように見える。 攻撃的なコメントが一層断定的になり、かつ非論理的になり、口調が暴力的になってきている。 これについては、前に「情報の階層化」という論点を提示したことがある。 ちょっと長い話になる。 かつてマスメディアが言論の場を実効支配していた時代があった。 讀賣新聞1400万部、朝日新聞800万部、「紅白歌合戦」の視聴率が80%だった時代の話である。 その頃の日人は子どもも大人も、男も女も、知識人も労働者も、「だいたい同じような情報」を共有することができた。 政治的意見にしても、全国紙の社説のどれかに「自分といちばん近いもの」を探し出して、とりあえずそれに同調することができた。 「国論を二分する」というような劇的な国民的亀裂は60年安保から後は見ることができない。 国民のほとんどはは、朝日から産経まで、どれかの新聞の社説を「口

    otokinoki
    otokinoki 2011/08/01
  • 脱原発の理路 - 内田樹の研究室

    平田オリザ内閣官房参与は17日、ソウル市での講演で、福島第一原発で汚染水を海洋に放出したことについて、「米国からの強い要請があった」と発言したのち、翌日になって「不用意な発言で、たいへん申し訳なく思っている」と発言を撤回して、陳謝した。 発言について平田参与は「この問題には全くかかわっておらず、事実関係を確認できる立場でもない」として、事実誤認であることを強調した。 内閣官房参与、特別顧問の「失言」が続いている。 平田参与の前に、3月16日には笹森清内閣特別顧問が、菅首相との会談後に「最悪の事態になった時には東日がつぶれることも想定しなければならない」という首相の発言を記者団に紹介した。 4月13日には松健一内閣官房参与が「原発周辺には10~20年住めない」という首相発言を紹介したのち、撤回した。 震災直後に内閣官房参与に任命された小佐古敏荘東大大学院教授は、政府の原発事故対応を「場当

    otokinoki
    otokinoki 2011/05/20
    陰謀論のようにも見えちゃうが、内田老師の語り口の上手さでスルッと入ってくる不思議\(^o^)/昔は田中芳樹先生がこういうの上手かった/ちなみに田中芳樹先生も内田樹老師読んでます/それを知った時の俺の驚き!
  • 荒ぶる神の鎮め方 - 内田樹の研究室

    秋葉原のリナックス・カフェで、ラジオカフェの収録。今回はustで画像放映。 平川くん、中沢新一さんと、「カタストロフの後、日をどう復興するか」について、語り合う。 その中で、中沢さんが「第七次エネルギー革命」で人類ははじめて、生態系に存在しないエネルギーを、いわば「神の火」を扱うようになった、という話を切り出した。 そのときmonotheisticとい単語が出て来た。 原子力テクノロジーというのは、いわば「荒ぶる神」をどう祀るかという問題である。 そうである以上、それぞれの社会の「神霊的」なもののとらえ方をストレートに繋がるのではないか。 という話を中沢さんから聞いているうちに、いろいろなことが「がちゃがちゃ」っとつながった。 数千年前、中東の荒野に起きた「一神教革命」というのは、人知を超え、人力によっては制することのできない、理解も共感も絶した巨大な力と人間はどう「折り合って」いけるか

    otokinoki
    otokinoki 2011/04/07
    西洋文明では原発を「一神教の神」として扱い、日本ではその恐怖を弱めるため「金銭」に仮託したというストーリー。ある一面で正しそうだ。
  • 読者からのメール - 内田樹の研究室

    内田樹先生 お忙しい中、お返事当にありがとうございます。 一主婦として、この状況に立ち向かう術がなく、無力感に襲われていました。 夫は現在、避難を希望しているのにも関わらず、勤務先が営業している為に避難出来ない状況です。 上司・並びに会社側は、行政判断の30キロ圏外であるため、避難の必要がないとの判断を下しています。 自主的に避難すれば解雇となるでしょう。 こうしている間に最悪の事態になったらと思うと、当に怖い。 夫同様に、人と家族が避難を希望しているのに、勤務先の判断で留まっている方が沢山おられるのではないでしょうか。 行政判断の区域になるまでは、人の意思に関わらず避難出来ない異常な状況なのです。 30キロ圏外の方が県外へ避難されたニュースを見る度に、この僅か20キロが恨めしくさえ思えます。 原発・放射能に関して、個人で感じ方が違うのは無理のない事です。 問題は、今回の様な異常事

    otokinoki
    otokinoki 2011/03/19
    これに対して内田樹尊師がどう答えるか。「不安なら科学的根拠なくても疎開はOK」というのは私の立場でも同様だが、『合理性』が微妙だとこういう宗教的救済を求められる。どう答える?/盟友ミシマ社が疎開したしね