前回はデジタルICとロジックICの全体像を説明しました。今回はロジックICの基本である「論理回路」について解説します。 四則演算(算術演算)と論理演算 ここでは原点に立ち返って解説を始めます。まず「論理回路」とは何でしょうか。 「論理回路」とは、「論理演算」を実行する回路です。それでは「論理演算」とは何でしょうか。 小学校で習った「算数」を思い出してください。算数も「演算」です。算数をもう少し難しい用語で表現すると「四則演算」または「算術演算」となります。和算(足し算)、減算(引き算)、乗算(掛け算)、除算(割り算)の4種類(四則)による演算という意味です。演算の対象となるのは整数や実数、複素数などですね。 算術演算に対して「論理演算」とは、「真」と「偽」の2つの値だけを使う演算です。1個以上の「真」あるいは「偽」の入力から、1個の「真」あるいは「偽」を出力します。「真」、「偽」はいずれも