Samsungがキューブリックの『2001年宇宙の旅』の映像に基づいて、Appleの訴訟に反論していることが話題になっています(参考記事)。この記事だけですと、映画に基づいて特許を無効にできると誤解する人が出てきそうなので補足しておきます。 この話は実は意匠権関連の話なのです。 意匠とは工業デザインのことです。特許権が、今までになかった斬新な発明(技術的アイデア)に期間限定で独占権を与えるのと同様、意匠権は今までになかった斬新な工業デザインに期間限定で独占権を与えるものであり、両者は類似しています(権利の存続期間等細かい点ではいろいろ違いがありますが)。 日本では、意匠法と特許法は別の法律ですが、米国ではひとつの法律で特許権と意匠権の両方を扱っています。そのことから、日本における意匠に相当するものを米国では”design patent”と呼びます(これに対して通常の特許を”utility
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