ジェネリック医薬品の説明で使用される「特許が切れた」という文句は、「物質特許」を指している。物質特許とは、薬の有効成分そのものだ。薬の有効成分は数十個の原子から構成される単純な構造をしていることが多く、ジェネリックメーカーは有機化学の力を使って有効成分を簡単に作り出せる。 したがって、物質特許が切れたという意味で、ジェネリック医薬品が「先発医薬品と同じ医薬品」だというのは事実である。 しかし、薬は有効成分だけで構成されているわけではない。そこには添加物が含まれたり、錠剤・カプセルとして薬をコーティングしたりしている。例えば、コーティングに特殊な方法が使用されているとすると、この薬は「製剤特許」で守られることになる。 他にも、新薬によっては「それまでとは異なる別の病気の治療にも使えるように改良を行った」として、「用途特許」を有している場合もある。 その例に、勃起改善薬バイアグラがある。この薬